皆さまにはご機嫌麗しゅうございます。わたくし、サードにございます。
 ふと気がついてみますと、わたくし、風穏やかで暖かなお花畑に佇んでおりまして、それはそれはのどかな日ざしのもと、菜の花の揺れる風景を眺めております。
 このような都会の喧噪とかけ離れた圏外におりますと、アンダーアンカーの業務には86.47±0.8%ほどの支障を来すことは間違いないのでございますが、どうしたことか、これほど心軽やかなわたくしの思考指令信号に、この手足が全く反応せず、身体を動かそうにも一歩もあるくことができないのでございます。
 このようなことでは、バディの桐原様にお手を煩わせてしまうこと請け合い。非常にまずいのでございますが、どうやらわたくしは、日常の業務にいそしむわたくしとは異なる思考ルーチンの色濃くまとまった、別のわたくしなのではないかという推論が、なんと93.21±1.2%もの確立で導き出されているのでございます。
 はて・・・先日、宇宙からの電波に乗ってやってきたウイルスと格闘した直後、わたくしの思考ルーチンにも多少の変調が出ていたのかもしれませんが、わたくしほど勤勉なフォンブレイバーが、よもや遊びたいとか、休みたいとか・・・
 でもしかし、わたくしと言えばゼロワンやセブンのような持ち歌もないし、じっくり考えてみると勤勉だけが取り柄ではありませんか。き、勤勉なほど誘惑にとらわれると陥りやすいものなのでしょうか。
 これは一大事かもしれない。わたくしはわたくしであってわたくしではないなどと・・・ なにかがおかしい。けれど、いったい何が・・・ せめてセブンやゼロワンが近くにいてくれれば、不安もないのでございますが・・・