ナスカ展
地上絵をCGフライト見学
 国立科学博物館も、長く足を運んでいませんでした。まさか本館が改修中で、シロナガスクジラのオブジェで写真を撮れないとは。
 新館にシフトしている常設展示とともに、この3月から6月にかけて企画展としてペルーから持ち込まれている、ナスカ文明の遺物を紹介するナスカ展を見てきました。
 ギザのピラミッド、バビロンの架空庭園、アレクサンドリアの大灯台、ロードス島の巨像、オリンピアのゼウス像、エフェソスのアルテミス神殿、ハリカルナッソスの霊廟。これらの「世界の7不思議」と呼ばれる古代文明に次ぐ、8番目の謎が、ナスカの地上絵、ジオグリフです。
 1938年、ポール・コソックによって発見され、マリア・ライヒの手で世界的な謎の地として広がり、デニケンなどが無責任発言を下して諸説紛々だったジオグリフは、最近では儀式に用いられていた「道」であろうという説に落ち着きつつあるそうです。
 謎が解き明かされるまでに、まだ時間を要しそうですが、そこに存在し(風化などによって消滅の危機をはらんでいるけれど)、黙して語らない巨大な遺構は、やはりいつか直に見てみたいと思うものです。
 今回は、ヴァーチャルフライトという形式ですが、CGによって緻密に描き出されたパンパの平原を飛び立ち、いくつかのジオグリフを上空から観察するという映像イベントが盛り込まれています。
 これは面白い。今まで見てきたハチドリの絵が、翼を広げた方向に伸びる窪地を経て、凸凹の地形に描かれていることを、初めて知りました。数字として聞き及んでいるそれらの図形の数々が、実際にどの程度の大きさなのかということも、克明にわかるのがよかった。パンパ(平原)といっても、複雑な地形を持っていて、それぞれのジオグリフがどのような位置関係にあるかを、あたかも現地をフライトしたようなイメージで知り得たのは収穫でした。
 子供たちは、ナスカの石(は、世界遺産に登録されているから持ち出せないので、近くで採掘されたという同じ岩質のもの)で、アクセサリーづくりにいそしんでいました。

 帰路はTXを敬遠し、高速バスを使ってつくばセンターエリアに預けてあるクルマを回収に向かいます。上野から、八重洲へ。八重洲となると、やっぱりあそこか。家族を連れて行くのは初めてですが、まああれだけ我が家に浸透している奴らですから、受けは良かったようです。