北緯40度線の西の果てへ
 北緯40度線と東経141度線の交会点は、娘達も何度か立ち寄ったことのある場所。それは岩手県安比高原近くの国道沿いにあります。しかし彼女らはまだ、東経140度線との交会点に踏み込んでいません。
 緯度経度とも末尾ゼロの交会点は、日本列島上では秋田県大潟村の水田を区画する水路と農道(緯度線)上にあります。このだだっ広く、見ようによっては何の変哲もない農地の風景を、どんな風に感じ取るのか、今年の夏休みは地理の自主学習。

 
「空が高い!」
 
「地平線みたい!」

 事前の学習で、八郎潟がかつて、霞ヶ浦よりも広い汽水湖であったことは知っている霰。干拓という言葉もインプットされていますが、実際の干拓地でこれほど広大な場所を見るのは初めてとあり、一直線に伸びる農道に立ちすくんでいました。
 霙は大潟富士の物理的な高さである3.776mの頂上が、地理上では海抜0mであるという不思議を登山によって実体験。その不思議なトリックを面白がっています。

 「東の果ては岩手県の黒崎灯台。西の果ては秋田県の男鹿半島。この砂利道は途中までしかないけれど、日本列島の上では、一本の線が横切っているのだ。今日は西の果てまで行ってみよう」

 西の果て、という定義はけっこう曖昧。いったい地球上のどこが西の果て? それについては自走できる場所と言い切ってしまえばいいじゃないかと、大潟村から入道崎へ向かいます。