草津白根の紅葉
空からのパノラマ
 10月16日の朝は、雨の小休止。雲の動きを見上げながら、次の前線がやってくる前に万座を離れ、白根山から草津へと、国道292号線で峠を越える。白根火山ロープウエイの麓駅には、遊覧飛行のヘリコプターが離着陸を繰り返していた。観光客の流れは、国道を湯釜への登りへと動いており、遊覧飛行は混雑していないので、これに乗り込む。
 ふわりと浮上して、一気に谷間の紅葉の森に沿って稜線へ飛び上がる。遊歩道からでも眺めることの出来ない景色は、白根山麓の紅葉を一度にひとりじめだ。このパノラマは、ロープウエイの高度では味わえない。ゲレンデと火山帯を遮る森の要所要所に、白樺の黄色、ブナの赤が広がる。一週間後には紅葉のピークがやってくるだろう。そして眼下の峠道は、雪の季節の間は閉鎖される。天候の安定している今日の景色は、まるで特別の日のようだ。
 それでも、雨を運んでくる霧は、どんどん長野県側から巻いてくる。晴れていたのは午前中だけ。Wエスクードは一路国道145号線と県道を繋いで榛名湖へ移動するが、榛名は既に視界4mくらいの濃霧に覆われ、開店休業の景色だった(だから写真もレポートも割愛)
 2日間で約700kmをツーリング。雨を追いかけて帰宅したが、満月の薄明かりが雲間から届く静かな夜になっていた。