横浜買い出し小隊は、ときどき横浜に出没する。幕張やお台場に出たのでは、小隊名が崩れてしまうからだが、だからといってきっちりとした定款や成り立ちがあるわけでもなさそうだ。
 上京していたBlackcat.U−taさんが、帰阪する前にはまたにさん宅に立ち寄り、小隊も「遊びに来てねー」とお呼ばれしたことが、この日の始まり。前回は元町商店街と中華街をそぞろ歩いたことから、今回は大桟橋で港を眺め、たまたまその日船出していく貨物船の進水式を見送り、屋上の芝地で湿度の低い日ざしと海風を満喫した。
 所用が済んだよー。と、じゅんきちさんからの連絡が入り、買い出し小隊は山手へと移動し、十番館で合流。少し早めの夕食に。女学生時代、知らずにテーブルチャージしてしまい、そのメニュー内容と丁寧なサービスと価格の本格さに青ざめたことがあるというU−taさん、横浜に在住しているけれど、行ったことがなかったというじゅんきちさんにとって、久しぶりの再会は「ここしかないよね」の意気投合が成されていたようである。買い出し小隊もテーブルマナーを初披露する成り行きとなったが、格式はあっても肩のこらないサービスに、安心して席につける。
 が、セット価格としてはたいしたモノだなあと思っていた以上の、ヘビー級のステーキが登場したとたん、肉食アイアンストマックのU−taさんも、右に同じの買い出し小隊も、どちらかといえばベジタリアンのじゅんきちさんも、目を丸くする。コースだったらさらに品数が増える。恐るべし十番館、その佇まいからは想像できない豪快さだ。
 日付が変わる少し前に、はまたにさんが帰宅。10月のツーリングについて打ち合わせをしながら、夜中まで話し込む。小隊は既に就寝・・・していたはずだが、
 
「食べ過ぎて眠れなかったー」
 
「枕がステーキの夢を見てしまったー」
 
まあ無理もない。あのU−taさんでさえ唸っていたのだから。