横浜買い出し小隊は、横浜港の開港150年とは全く無関係に、横浜にやってくる。正確に言えば、来てみたらY150とかいう博覧会が行われていた。というくらい、行動に計画性がない。
 
「そっちは後日、学校の研修でまた来ます」
 
「今日は買い付けと中華のランチですー」
 
そんなことを言いながらも、K・Q・Jの愛称を持つそれぞれ建物はしっかり見物するし、日米和親条約なんて言葉が“締結の場所”に到着する前に出てくるし、中華街では4個で1000円の魔よけストラップに2個おまけを付けさせるし、けっこう油断がならない。
 「ここは車で移動しない方が面白いね」
 
「歩くBレイドを企画したら?」
 (それはただのオリエンテーリングだ)
 そんな小隊を出迎える横浜の空は快晴。湿度も低く風も穏やか。ゴールデンウイークの行楽客が繰り出してくる前に、港の周辺を歩き回っては歴史の遺構を見つけ出していく。
 「それでは問題。神奈川県庁旧館(King)、横浜税関(Queen)、横浜港開港記念館(Jack)を一度に見渡せる場所へ行ってください」
 どうするかなとついていくと、大桟橋へと歩き出す小隊。なるほど過去の買い出し作戦行動は無駄になっていないようである。
 「ところで、はまたにさんと待ち合わせは何時?」
 「11時にお店の前」
 「お店の場所はわかる?」
 「だいたいわかってる」
 「迷子になっても携帯電話で連絡とれるしね」

 (す、すいません。このとき実は、携帯電話を車の中に置き忘れておりました)