2026年2月14日、1000000キロを刻んだ。
 遂に到達した。それは同時に20年にわたる旅の終わりだ。


 地球を一周すると4万キロほどだ。光は僅か1秒でこれに相当する距離を7周半分突き進む。
 BLUEらすかることスズキエスクードに搭載されているのは、光の速度を超えられるという波動エンジンではなく、V型6気筒の内燃機関で2500ccの排気量。頑張っても1年を費やす。
 100万キロという数字を単純計算すれば地球を25周走ることになり、25年を要する。8万キロ台の中古車であったから、その分を得して20年と5か月かかって走りぬいた。
 もちろんこの試算は無故障という前提のもので、そんなことはありえなかった。それでも試算年数より短い期間で走っていたということは、かなり頑張ったのである。
 数字はごまかしがきかない。積算走行距離計は、実際に走った距離しか刻んでくれない。だから20年という時間は途方もない重圧でもあった。
 さて、その積算走行距離計は、100万キロに達したとき、6桁とも0に戻るのか?
 これが、月と地球の往復距離を走った後に感じ始めた疑問だった。他社のクルマについていたデジタル式メーターは、9が並んだまま0にはリセットされなかったそうだ。
 エスクードの場合はアナログ式の歯車稼働によるもので、初代の初期型時代の5桁版は0に戻ることが確認されている。しかし6桁ものでこれを目にした人は、たぶん、いない。
 旅の終わりは、その答えが待つ場所であった。大勢の仲間たちが駆けつけてくれて、検証の証人になってくれた。
 実は残り100キロあたりから上3桁が僅かに動き始めていたが、あと1キロになっても大きく動かない。まさかのリセット不可能な機構なのか? といくらか動揺し始めたところで、6桁が一度にぐいっと動いた。
 すべてが0に戻り、再び永く果てしない道のりに向かって数字を刻み始めた。
 しかし、旅はここで幕を引く。
 BLUEらすかるの記録はこれで終了。あとをらすかる三番機に託す。

ススキエスクード 100万キロ達成