東日本大震災を乗り切る 
被災後の34万km
 前回の記録が2月25日。その2週間後に東日本大震災が発災した。今だから言えることだが、実は3月11日午後は、仙台空港近くの仕事先に出向き、そこから国道6号線を経由して常磐道まで移動する予定であった。
 その出発が、ちょっとした変更によって2時間ずれこみ、午後2時46分はまだ、仙台市内の路上だった。もしも予定通りの業務行動をこなしていたら、BLUEらすかるもろとも5mの津波に呑み込まれていた。
 3月中は、仙台市内を除いて動きが取れなかった。燃料タンク内のガソリンはゲージで約半分。緊急時の帰宅分は確保できている計算なので、これを温存しなければならない。月末にはガソリンスタンドのパニックも解消し、給油が可能となった。相馬、石巻へ見舞に向かい、3月中の仙台湾岸同様の惨状を目にする。が、この項でそれを記すことは差し控える。
 オドメータが3並びのぞろ目になったのは、4月25日。1カ月で約1500kmしか走っていない。復旧と復興に関する間接的なかかわりを持っていることもあるが、まともに動き出せるまではさらに時間を要しており、東北全体を行き来し始めたのは5月の連休明けからだ。
 被災地では、道路の啓開は済んでいても瓦礫の破片は飛散している。被災地とは関係ないが、1000mを超える場所にも出向くためスタッドレスタイヤはまだ必要だったが耐久性が心もとなく、AТ694に換装し、寒冷地仕様にしていた油脂類も一通り通常数値に戻す。
 ここへきてカーナビゲーションが故障。先代らすかるから引き継いで使用していたDVD方式のNV077だったため、地図情報の更新もできず、アナログ方式の受信機器も一部は使用できなくなるため、入れ替えを決定した。
 6月期で各メーカーの新型機種が登場することから、現行機種の価格帯が大幅に値下げされたのは幸いだったが、X08SRVは工場の被災と採算割れなどが重なり、すでに生産終了していた。その店頭在庫を調達してもらい、取り付けに及ぶ。
 前機種に比べたら機能満載の分だけ操作系は複雑になるうえ、エスクードの取り付け位置ではタッチパネル操作は使いにくい。NV077時代のようなインダッシュ格納モニターは、空調スイッチの前に立ちふさがるが不便ではなかった。
 X08Sでは別売の統合リモコンが必須。あらかじめこれは同時注文して納品してあるが、実は基本操作程度だとNV077のリモコンでも動いてしまうのが哀しい。
 地図情報は改良が進んでいるが、検索した目的地の表示ポイントには08Sの方が、誤差が出ることがある。どうでもいいことだが、ドライブインフォメーションに投影される自車マスコットには、何の意味も感じられない。コーナリング時に横Gが表示されるが、そんなもの見ている暇はないだろう。
 投影マスコットにはもちろん「エスクード」は登録データもないが、「RV」を選択すると、何となくそれっぽい形のものが出てくる。オーディオ側ではFMのオートシークも、前機種よりレスポンスが悪い。
 今回、オンダッシュモニター機となり、後席から画面は見にくくなったために、9インチのリアビジョンを採用した。感心したのは、これを展開していてもルームミラーの投影範囲に干渉しないことだ。リアビジョンはルームランプユニットも兼ねているが、薄型のために従前のメーカー純正ルームランプよりもすっきりした。
 こうして6月6日、340000kmに到達。手元に来てから6年目にして25万kmちょっとを走っている。