2012年3月20日、384400kmに達した。
 先代のらすかるがこの距離を刻んでから、早くも8年が経過する。
 2度目をやるには、エスクードという車自体がロートル化しており、実現できるかどうかについては不安要素が多くなっていた。しかし、この年月の間に、この領域に届き、届こうとする仲間も現れている。ならば弱音を吐いてはいられない。
 その一念で走ってきた、6年と6ヵ月めの月軌道最接近と、軟着陸。
 なんとかこなすことができたが、真夜中に除雪のされていない吹雪の国道を北上し、カチカチに凍結した秋田道をさらに北へ向かうという、できればやりたくなかった冬道のオンパレードを経ての到達となった。
 BLUEらすかるを待ち受けていた緯度・経度交会点の干拓地に雪はなく、冬は終わりをつげ、春の訪れを待つ風景が広がっていた。
 北緯40度、東経140度。この場所で、2度目の目標を成し遂げることができた。もちろん、ここはゴールではなく、通過点だ。ただ、自分の中では簡単に片づけられる通過点ではない。再びここまでやって来ること自体が、大仕事であることには変わりない。
 よくぞ走ったと、老体のBLUEらすかるをほめてやりたい。この距離の上にいることは、たどり着いた者にしかわからない達成と充実の感慨をかみしめることなのだ。
 そしてそのひとときは一瞬でしかない。帰路に就いた時点でオドメータはすでに新しい距離を刻み始めている。どこまで往くことができるか、そのトライアルも再び動き出している。