2012年8月に仙台・浜松を無給油で走るなど、調子は上々と思っていた。そこに落とし穴があった。10月、釜石港において420000kmも無事に刻んだ。その時点でも変調はきたしていなかったのだが・・・
 東北にも早めの雪が降り始めたのが11月のこと。基地で冬装備に換装して岩手県へ向けて出発した12月のある深夜、福島県に入ったところで、突然エンジンが回らなくなった。
 オドメータは427000km台の後半となっていた。
 走行不能に陥ったのは、初めての事態だった。原因を考えてみるが、この積算走行距離が出ているとなれば、トルクコンバーターもミッションも範疇に入る。
 ATF、エンジンオイル共に正常値。その後はエンジン停止には至らず、アイドリングは可能で、積車にも自力で乗り上げることはできた。
 するとECUのパンクか、あるいは燃料系。考えがまとまらないまま、自販茨城に入庫となる。
 点検試走すると、高速走行でなければ、走ることは走るという。
 想像するに、燃料が正常に圧送されていないのではないか。
 ECU故障と診断されるよりは、そちらの方がトラブルとしてはなんとかしようがあり、燃料タンク、ポンプ、フィルター、パイプ類の総交換を行う。
 これらの部分は、エンジン換装のときにはメニューに入っていなかったため、納車の2005年以前、この個体の新車登録時である1996年からずっとそのままだった。
 案の定、いずれのパーツにも錆を原因とするスラッジが出ていた。
 ここへ来て思い立つのも情けない話だが、BLUEらすかるは、納車当時から一般論で言われていたTD61Wの燃費よりも良い数字を出し続けていた。
 これは逆に、この車を手に入れた時点で既に、燃料タンクやパイプ類の内部に錆とスラッジが蓄積されていて、常時リーン状態でインジェクションを動作させていたからではないのか。
 ひとつの変化として、修理後の燃費は、明らかに落ちているのである。

 交換修理の途上、下回りの錆の進行も著しいことが判明した。燃料タンクやタンクガードで覆われ、目指できない部分に集中している。また、エンジンフード上のエアロバグガードの取り付けステーをたどった雨水などが、フロントストラットのアッパー側のボディ内壁を傷めていた。
 今回の作業では、このストラット付け根部分のレストアを行った。あとの部分は機会を見て一斉にレストアを敢行することとした。