3基ものエンジンを使ってマラソンクラスにこだわることに意味があるのかを葛藤した。それはもはや当初のエスクードとは呼べないのではないか。という部分だ。
 「エンジン載せ替えても別のクルマになるわけじゃない」
 あおいろさんがそれを否定し、背中を押してくれた。

 H25Aユニットが、都合よく出てくればの話だが。
 そんなに簡単なことではない。ТD61Wもまた、歴代エスクードの中では希少モデルに属する。もっとも無ければ無いで修理に及べばいいことなのだが、主治医・伊藤氏はこれを見つけ出してきてくれた。前回のような整備済みリビルドエンジンではなかったが、車体から降ろされて間もない、使用距離59000キロというユニットであった。
 それはいったい、どんな61Wだったのだろうと思いをはせたくなったが、今はそれどころではない。4月の1か月間を費やし、マウントと共に交換作業が行われ、26日に手元に戻ってきた。
 ところが試運転において、リアサスが抜けたのではないかという挙動が発生。潜ってみたところ右ストラットがオイルを吹いていた。
 製品の当たり外れは使ってみないとわからないとはいえ、前回の車検交換時からわずか5か月というのは唖然。ただしこの間、クロカンこそ行っていないものの25000キロを走っているので、あっても仕方がない不具合だろう。ランチョを左右分発注し5月を迎える。
 エンジン交換入庫の最中、東北で使っていたぷらすBLUEことTA01Rにも、プロペラシャフトのユニバーサルジョイント破損という故障が発生し、同時修理に及んでおり、主治医は多忙を極めたことが想像に難くない。ともかく復旧に取り組んでいただいた関係者すべてに感謝したい。
 今回搭載したエンジンは初期にアイドリング不調を見せたが、調整で安定してきた。いずれタイミングチェーンのガラガラヘビ音も再発すると予測(エスクードのV6エンジンはタイミングチェーンを2本掛けしているうえ、掛け方があまりにも趣味的)するが、今でないと聞く?ことのできない静粛なアイドリング音には感動する。