《裂けたステアリングの修繕〜交換》
 イタルボランテの革巻きステアリングが、遂に裂けてしまった。
 他メーカーの革巻きステアリングに比べると、湿度に対してめっぽう弱いのがイタルボランテの特徴。
 年数を経てくると、窓を開けて走っているだけでも吸湿して、ひどいときにはぐずぐずになってしまう。
 BLUEらすかるのステアリングは2代目。最初のものはとるねーどらすかるから移植していたが、同様の劣化で革部分がステアリングホイールからはがれてしまうくらいぼろぼろになった。とるねーどの前のヘリーハンセンの末期から使っていたものだから無理もなかった。2代目も経年としては時間の経っているもので、クリーナーで定期的に手入れをしてきたが、限界が来たようだ。
 しかし革製品の修繕ノウハウはない。代替品を探している時間もない。
 というわけで、今回は樹脂を盛りつけて裂け目を埋め、ペーパーがけして整形し、アクリル系塗料で着色という応急の修繕を行った。
 夜間に下地作業、そのまま通勤、駐車場にて本作業。勤務中は乾燥、終業後にとりあえずの仕上げというやっつけ仕事でしのぐ。これで様子を見て具合が良ければ、後日作業を丁寧にやり直そうと思う。
 余談だが、イタルボランテのステアリングには、グリップ径の太いものと細いものとがある。BLUEらすかるのものは細いタイプだが、写真中段(95年式ゴールドウイン)に特別装備されているものはグリップが太い。オプション品番には変化はなかったはずなので、生産ロットによる違いがあるのかもしれない。 いずれにせよ、このステアリングを使用している方は、高湿度厳禁で取り扱うことをおすすめする。濡れたウエスなんかをかぶせてしまったらアウトだ。
 その後、別件で修理に出していた折、どうも長時間窓やドアを開けての作業が続いたか、窓そのものが隙間を空けていたか、ベンチレーションが外気導入に切り替えられていたかなどの要因が重なり、イタルボランテは吸湿して修繕カ所の剥離だけでなく、全体がささくれ立ってしまった。修繕した部分も、革のような伸縮性を伴わないため、ひび割れが生じる。
 さすがに手の施しようがないので、イタルの使用はあきらめ、MOMOのステアリングと交換した。こちらは流用品で“handling by LOTUS”のオーナメントが入ったセンターパッドが特徴だが、両サイドについているホーンボタンを、ときどき手のひらで押してしまうのが運用上問題となっている(あくまで運用の仕方の問題で、ステアリングの責任はない)
 どのみちロータスにセッティングを頼んだような車でもないので、センターパッドは撤去することにし、替わりにイタルのホーンボタンとボスカバーを移植した。
 
 両サイドのホーンスイッチへの配線は、後戻りが出来なくなることを承知の上で、切除。見てくれはともかく、ホーンボタンはセンターのものだけで事足りるので、しばらくこの形で使い続ける。
 MOMOは、規格上のステアリング径はイタルと同じと思われるが、実際の径はほんの少しだけ大きいようだ。形状から見て鋼材の使用量は僅かに少ないが、その分が、外したイタルの自重で解る。