Exemplary 
We are deeply in the ESCUDO.
中古車を手に入れる
桶川市 フジ・オートさんのアドバイス

 ライトクロカンというジャンルを構築し、今なお高評価を得ている初代エスクードも、
 年式の古いものは入手しにくくなってきた。
 今後は安心して購入できる品質の個体を探し出すのも困難になっていくだろう。
 埼玉県桶川市の「フジ・オート」は、ジムニーワイド・シエラとエスクードを中心に、
 中古車販売や車両整備を行う車屋さんとして、エスクードユーザー間で話題になっている。
 同社の渡辺晃彦代表を訪ね、これから初代エスクードを手に入れる際の注目点を伺った。


 店頭やインターネットで、フジ・オートのストック車両を見ていると、
 このお店で扱われているエスクードには一つの特徴がみられる。
 どんなに古いものでも1994年式。しかし94年式はレアケースで、
 1995〜97年式までのモデルに、ターゲットが絞られているのだ。

 「なぜ初代なのかというと、これはもうおわかりでしょう。このカタチが気に入っているんです。
 20年前にこの車が登場したときは、四駆がこれほどスタイリッシュになったのかと驚きました。
 そして車体の大きさ。コンパクトだけれど、ノマドや5ドアは荷物も積めます。
 日本の道路、特に林道を走る際には、エスクードの大きさが一番いいと思います。
 お客様に長く乗っていただくことが、私の願いですから、後期型主体でストックを仕入れています。
 ひとつの指標は、エアコンガスが代替フロンに変更されたもの。
 旧触媒のR12は圧力が高く、エアコンの故障頻度が高いんです。
 融雪剤などで、下回りの劣化が進んでいないという個体であるかも調べた上で、調達します。
 もちろん、走行距離の少ないものも前提です。
 ただ判断の難しいところは、走行距離が少ないとしても、あまり動かさなかった車体。
 車は機械の塊ですから、全く動かさないというのは逆に潤滑が悪くなったり調子を落としたりします。
 それらは出来る限り整備によって完調の状態に戻します」


 エスクードは、他の同世代4WDに比べて、価格を低く設定できるのだそうだ。それは表面上の理由として、マイナー車であり不人気車であるからだというが、渡辺代表は、こう語る。

 「不人気の理由が、実に些細なことなんですよ。
 たとえばサイドミラーが電動格納式でないとか、オートエアコンではないとか。
 エスクードの基本性能という素性の良さを知らずに、装備内容だけで敬遠されるケースがあまりにも多い。
 その反面、走らせるとどんな車なのか、興味を持っているお客様もいらっしゃる。
 実際に乗っていただくと、大半の方が『こんなに良い車だったのか』と驚かれます」


 渡辺代表ご自身も、整備したエスクードを試走させるごとに、直4、V6それぞれのモデルの魅力が深まったという。

 「TA51Wの5MTなどは、個体が少なく見つけ出すのに苦労します。
 でも、ショートモデルは、スポーティーに走らせるのに最高のエスクードです。
 一方、TD11WなどV6のエンジンも頑丈ですよ。
 ロングボディの直4は、ツインカム故に低速トルクにハンデがありますが、絶対的に不満が出るものではない。
 低速から上まで滑らかに回したいならV6を選べば、そこは解決できますね。
 パートタイム4WDであることも、街乗りからオフロード走行まで、場面ごとに走りを変えられる点で魅力です。
 この世代のエスクードならではのラダーフレーム骨格も、大きな評価点です」


 エスクードを主力商品に置き始めて、7年ほどになるという。
 意外なことに、ジムニーワイドやシエラユーザーからの要望が、そのきっかけだそうだ。

 
「以前は軽規格のジムニーを扱っていましたが、その手のショップはどこにでもある。
 そこで、1300ccクラスの旧31、32シエラやワイド、現在の43系シエラを主力にしました。
 特にJB31Wなどは傑作と言っていい。小型車の四駆がほしいというお客様には喜んでいただけました。
 ところが、ジムニーには唯一の泣きどころとして、5ドアモデルが存在しない。
 5ドアでコンパクトな四駆がほしいという声が、けっこうあるんですよ。それならエスクードでしょう」

 
ユーザーにとっては、インターネット上では馴染みのお店だが、フジ・オートが、上記の条件に見合ったエスクードを調達し、年間どれくらいの個体を納車しているかご存じだろうか。約30台にのぼるという。それを多いとみるか少ないとみるかはさておき・・・いや、これだけ年式を限定して、品質や状態を確保したエスクードを送り出すのは、たやすいことではない。
 メールや電話での問い合わせは、全国から入ってくる。渡辺代表は、可能な限り、常時3台はストックとして店頭に置けるよう努めている。不意に、これは!という個体が店頭に並ぶかもしれないし、その可能性は、比較的高いといえる。

 「私自身も、直に整備で接するだけではなく、お客様との対話からエスクードの性能や魅力を学んでいます。
 エスクード談義を目的にでもかまいませんよ。いつでも遊びにおいで下さい」


 渡辺代表は、絶版となって久しい初代モデルに、まだまだ活躍の場を見出し、世に送り出してくれる。初代エスクードをカーライフのスタートラインに置く人にも、こだわり続けて乗り継ごうというユーザーにとっても、心強いサポーターだ。残念ながら、2代目エスクードはなかなか取り扱われないのだが、2代目はユーザー間での再評価もされつつある。これから2代目も主力となり得るよう、渡辺代表を口説くというのも、一つの手段かもしれない。

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