Exemplary 
We are deeply in the ESCUDO.
ヤンバルテナガコガネ(国指定天然記念物)

ヤンバルクイナ(国指定天然記念物)
やんばるの森とエスクード
写真家  湊 和雄さん

1sts:93年型TD01W

 昆虫写真家を夢見て、琉球大学昆虫学教室に入学したのが、ちょうど30年前。当時の沖縄は、車の右側通行最後の年だった。最初の夏休みに、最後の右側教習生として運転免許を取得した。最初の車は中古の71年型コロナ。林道や河原でスタックを何度も経験し、4駆への憧れが強まっていく中、81年にニュージムニーが発売され、すぐさま購入した。
 それから3年平均でSJ30>SJ30-3>JA71-3>JA11-2と4台の新車を乗り継いだ。その後も西表島取材用に、中古のJA11-3とJB23Wも購入しているが、沖縄本島ではジムニーを卒業して、94年にエスクード・ノマド(TD01W)を購入した。次第に撮影機材が増えていくのと、フィールドに編集者を案内する機会も増え、ジムニーのスペースに限界を感じ始めていたからだ。


2nds:96年型TD01W


 エスクードを選んだ理由は、離島の多い沖縄で軽自動車と同価格でフェリーに載せられる全長4m未満かつ、狭い林道で取り回しの楽なコンパクトボディ、コストパフォーマンスの高い価格設定などもあるが、長年のジムニーで培った技術を活かしたライトクロカンに期待したところが大きい。
 3年後に再びTD01Wに買い替えたが、故意に下位グレードを選択したのも全長4m未満にこだわったためだ。さらに3年後の2000年に買い換えるときは、全グレードが4m超となり、パジェロイオの見積もりを取って悩んだ挙げ句、結局TL52Wに乗り継いだ。浮気心が生じた理由に、デザインが丸みを帯び、泣き顔フェイスになったこともあった。しかし、結果的に6年半で127,374km走行と歴代で最も長い付き合いになった。


3rds:00年型TL52W。
車体後部に撮影用ブラインドを張って、
路上に出没するヤンバルクイナを撮影(左)

 そして昨年(2006年)、TD54Wに乗り換えた。歴代のエスクードは、すべて5MT仕様を選択してきたため、このXGも同様だ。
 このときもフォレスターと天秤に掛けたのだが、それ程悩まなかった。しかし、先代に比べても非力で燃費も1割は劣り、フルフラットに出来ないシートなど不満も少なくない。ビルトインラダーフレームと呼ばれるモノコック構造ボディは、先代までのフレーム+ボディ構造との、両者のいいとこ採りだと思っていたが、逆のようにも思えてくる。
 エスクードに限らずジムニーにも言えることだが、次第にオンロード重視の大人しいアレンジに向かい寂しい気はするが、実際の仕事での障害は少ない。それは、沖縄本島北部、通称「山原」(やんばる)の林道のほとんどが舗装されてしまったこと、昔のように闇雲に荒れた林道に乗り入れるような冒険心が希薄になってきたのが理由だ。
 こりゃ、やっぱり歳かな?


4ths:06年型TD54W
車載テントはイタリア製マジョリーナ




背後はジムニー
(92年型JA11-2
プロフィール
湊和雄(みなとかずお)
昆虫・動物写真家
1959年東京生まれ。78年沖縄に渡る。
琉球大学大学院修了後、同大学資料館勤務を経て、94年よりフリーランス。
在学中より、山原(やんばる)をメインフィールドに、琉球列島の野生生物を
スチルとビデオで撮影する生活。
日本写真家協会(JPS)会員

http://3710km.com/(湊和雄のデジタル南島通信)

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