Exemplary 
We are deeply in the ESCUDO.
 「摩周湖-1」
北海道取材では三回も訪れて、最後に一番美しい湖面の色を映し出してくれた摩周湖。自分がアイヌになり、その昔初めてこの湖「キンタン・カムイ・トー(山の神の湖)」を発見した瞬間の気持ちを想像しながら接しました。
水彩画ロード
画家  村田 收さん
「オホーツクの夕日」
夕日が美しくなりかけのときに、あわてて立ち寄った小さな海岸です。地名は分からないのですが、斜里とウトロの間くらいだったと思います。
オホーツク海に沈む夕日と家並みです。
家の傍らに立つ素朴な木の電信柱にも惹かれました。

 自宅のアトリエで絵筆をとり、アトリエを離れて自然や風景をスケッチして歩くフィールドワークが、水彩画家・村田收さんのライフステージ。東京在住の時代は、絵を描く素材が限られていたという。自然を描きたいと思っても、近くにあるのは小さな公園でしかないし、写真から描いては空気が伝わらない。
 自然をとるか便利をとるかの選択肢で、不便は承知の上と、栃木県の那須に居をかまえ、水彩画の創作にいそしんでいる。
 村田さんがエスクード・ノマドを選んだのは、那須高原に移住を決めた際に雪道や山道 に強いことが最大の理由だったが、後になってステーションワゴンタイプの車高(室 内高)のゆとりも大きな力を発揮する事になる。 実はフィールドワークに出かける際、ノマドは「水彩画ロード隊車中泊仕様」へと内装を換装する。水彩画ロード隊(村田さんご夫妻)は、ホテルや旅館を全く利用せず、ノマドをベースキャンプとして旅に出る。高速道路も使わない。トコトコと一般道を走りながら、景色が良いところがあると立ち止まってスケッチをする。

  「NY留学時代はカナダまで車で旅したし、フィンランドを横断したこともありますが、車中泊はしたことがなかった。実験として東北旅行をしてみようと、約2週間ほどかけて改造しました。家のリフォームと同じやり方で、材料はツーバイフォー材です」

 ノマドの後部座席をたたみ、空間を最大限利用した、地下一階、地上3階建ての改造。地下はバッテリーなどの倉庫に充て、調理など作業用のテーブルを引き出せる。1階はベッドルーム。2階は後方視界として確保しながら、就寝時は物いれになる。3階はクローゼットだ。20アンペアのポータブルバッテリーは、エンジンを切ったときに扇風機、ライト、TV(ナビ兼用)などに利用する。

 「セミダブルベッドくらいの広さですが、長さ175cm幅は120cmと二人で寝ても問題ありません。この状態で実際に物を載せると、まるで幌馬車のようです」

 こうして2007年9月半ばに8日間の東北試走を敢行し、改良を加えて9月末から10月半ばまで、北海道の釧路湿原を目指して、国道4号線を北上する。青森県の八戸からフェリーで苫小牧にわたり、その後一日で釧路まで移動。道東を中心に横道に入っては目的のスケッチ。富良野、美瑛に立ち寄り、日高峠に雪が降らないうちに苫小牧に戻って、函館まで1日で降りてきた。17日間の旅を終え、アトリエに帰宅したとき、陸路だけで3430kmの道のりを走り続けていた。

 「Yellow Hill」
富良野近郊は、秋だというのにひまわりがたくさんさいている素敵な丘がありました。


 「日中はすごく忙しく、日が沈むと寝る場所、風呂の場所、車内ベットの設置、などなどやることがつぎつぎと巡ってきます。私のブログを読んで下さる沢山の人が、毎日コメントを入れて下さり、移動中などに家内が読んで聞かせてくれるのが、とても楽しみでした」

 ノマドでの朝食風景は、たとえば携帯コンロを2台使用して、飛び出す机でお湯を沸かしたり、網でパン焼いたり。その間にもうひとつのコンロで半熟卵を茹でる。宿泊するのは主に道の駅。物産コーナーで新鮮なトマトを買い求め、風景を眺めながら珈琲をいれる。

 「毎日、天気予報をながめながらルートを決めていました。
 明日はどこまで行く?どこに泊まる?どこでお風呂?
 すべて、前日または、当日決めていました。
 そのため、天気が良いところを進んでいました」

 エスクードが誕生した頃、多くのユーザーがこんなツーリングを楽しんでいた。コンパクトさの中に詰め込めるものの限りがあるのは、物理的な限界。ユーザーはそこを工夫して、思い思いのパッキングを実践する。サイズが二回りは大きくなった3代目ですら、荷室が狭いという声があるが、それではどれほどのユーザーが、その狭さを克服してまで、外の世界と寄り添うようなツーリングをしていることだろうか。
 村田さんは、コストパフォーマンスだけで初代のノマドを選んでいるのではない。
 いつ、どこで、心を突き動かす風景と出逢うかもしれない。どんなところへも走っていくことができて、“その瞬間”に巡り会ったとき、そっと車を停めてスケッチブックを開く。その空間と時間を共有する最良のツールとして、ノマドが旅を支えている。

「Road 0701」水彩画
北海道で、ふと横に曲がったら、こんな道がありました。ずっとタイトルを考えていたんですが、絵を見て自由に世界を想像してもらいたいので、シンプルな名前にしました。
あなたにとって、この道はどんな道に見えますか?
※このページは村田さんのブログ「水彩画ロード」から
再構成させていただきました。

プロフィール
村田收 Osamu Murata
1954年 千葉市に生まれる。 大阪府立大学卒業。
1987年 New York, Pratt Instituteに留学。 同時にArt Students leagueにて絵画を学ぶ。
全米Dutton Children's Book Competition入選。 SOHOにてグループ展開催。  
1989年 帰国。 その後、New York Society of Illustrators会員になる。
1992年 大洋漁業カレンダーに絵が採用される。
1994年 東京相和銀行カレンダーに絵が採用される。
Finland航空イラストコンクール優秀賞受賞。Finland取材旅行。
1996年 東京総合信用及びエスバイエルのカレンダーに絵が採用される。
1998年 CANADA, Victoria取材旅行。
2000年 CAC化粧品カレンダーに絵が採用される。
2001年 三井物産、千葉興銀、大分銀行カレンダーに絵が採用される。
(森の中で創作に集中するため、東京より那須高原に転居)
2002年 那須 ギャラリー楸(HISAGI)にて初個展。
2003年 東京 「アートの庭」、福島 「夢工房」、岡山「倉敷・中央画廊」にて個 展。
2004年 東京「銀座・ギャラリー無何有」、岡山「倉敷・中央画廊」にて個展。
日立マクセルカレンダーに絵が採用される。
2005年 絵(表紙と挿し絵)を描いた児童書が東宝映画『星になった少年』になり、全国的にヒットする。
日立マクセルカレンダーに絵が、再び採用される。
水彩画カレンダー『樹景』が全国の書店にて発売される。
第一回那須高原オープンアトリエ。
東武百貨店大田原店にて水彩画展。
2006年 第ニ回那須高原オープンアトリエ。
矢板市「音楽の森コンサートサロン」 テノール歌手 川久保博史さんと、コラボレーション
銀座「ギャラリーポート」にて個展。
2007年 第三回那須高原オープンアトリエ。
銀座「ギャラリーポート」にて個展。

水彩画ロード

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