Exemplary 
We are deeply in the ESCUDO.



道具について考える
ギタリスト 
TURBOさん


Conde-Hermanos EF-5 '06 SPAIN
(コンデエルマノス社 EF−5 2006年型 スペイン製)


道具について考える。
例えば、車。
現在メインで使用中なのは
スズキ エスクード
TD52W いわゆる2代目シリーズ。
J20Aエンジンの
ツインカム直列4気筒2000cc。
FRベース5ドアのパートタイム4WD。

非常にタフで扱い易い道具だ。
しかし3代続いているエスクードシリーズの中で
一番人気の無い車種だそうだ。
市場の人気に比例すると言われるモデルカートイの業界において、
この2代目シリーズのエスクードのカーモデルの商品化は
ほぼ皆無の様子である。
ワケのわからないバキュームカーまで商品化されているのに、である。

大体エスクード自体がそれほど知られていないかもしれない。
が、
50:50の車重バランスといい、
4WDセレクトのハイとローの設定といい、
ラダーフレームの構造といい、
とても良く出来ていると、最近あらたに感心している。
3代のシリーズの中で最もバランスのとれたシリーズであると思っている。

よい道具が必ずしもヒットするとは限らないのである。
よい道具かどうかは、
しばらく使ってみないとわからないし、
それよりも、
それを使う人間がその道具にどれだけ関心を寄せられるか、
にかかっているのであるから。

実は当初、初代エスクード(輸出仕様ヴィターラ)を購入したのだが、
トラブルが発生し店に返品してしまった。
その後いくつかの利用環境の制約と実益を検討した結果、
やはり同種の2代目エスクードに決定されたのだ。

乗り始めて数年はその事柄すら忘れ、
あまり興味も持たずに「使って」いた。
が、最近、ハタと気づいた。
購入時点であれだけ考えて決めた結果が、
今気がつく間もなくこの「道具」を使い込んでいる所以なのだと。

俺の愛用しているフライ社のワークブーツに感触がとても良く似てきた。
コイツも馴染むまで10年かかってしまったが。

よい道具に出会う秘訣は、
ソレを持ちオーナーになるという自負を突き出す前に
今の自分にソレがどれだけの役目を果たしてくれるのか?
という純然たる「道具哲学」を持つことにあると考える。

ちょうど日曜日に「使う」予定のギター、
コンデエルマノス EF−5。
これもまた、当初購入したギターにトラブルがあり、
いくつかの制約の中で選ばれ、
変更された機種である。
エスクードと全く同じ「流れ」であると感じる。

運命と宿命。
運命は可変し、宿命は生まれついての命題であると言われている。

運命が自分で道を切り開くものだとすれば、
宿命は、
「やってごらん」と我に道具を手渡しているのかもしれない。


とても面白い。




GRETSCH 6120 Nashville '04 USA
 (グレッチ社6120ナッシュビル2004年型 アメリカ製)

GIBSON Les-Paul Custom '74 USA
(ギブソン社レスポールカスタム1974年型 アメリカ製)

GRETSCH 6119 Tennessean '02 USA
(グレッチ社6119テネシアン2002年型 アメリカ製)

プロフィール
TURBO / ターボー
AB型 いて座
横浜出身
「クラウディレッドスカイ」にてギターとボーカルを担当。
TURBO名義にてアコースティックソロ活動など。
公式サイト
HORIZON

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