Exemplary 
We are deeply in the ESCUDO.
そしてリタイアからの始まり
 2008年1月、九州・大牟田市で開かれた、XCダート90分耐久(主催:フォーズファクトリー、HANGER、ブレイクスルー、LEFTY、WESTWIN)に、E376の後を引き継ぐエスクードが出走した。残念ながら、あと一歩のところでリタイアとなり、実は島さんがこのエスクードをパイロットすることは出来なかった。
 だが、それが始まりだと、彼等は感じているに違いない。だから、記憶に刻んでおきたい。島さんから届いた映像をキャプチャーし、彼のモノローグをここに書きとめておくことにする。

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 70分過ぎ、ラストドライバーの私の番になり、ピットまで戻って来たエスクードを見ていたら、何やら漏れている。場内アナウンスも「ゼッケン40のエスクードトラブル」と叫んでいる。あとはピットでの突貫作業。燃料タンクの破損、ガソリン漏れを止められません。
 私がリタイアしようと言うと、今まで乗っていた仲間は泣き出して、
 「自分が頑張って島さんに渡せば何とかしてくれると信じて走って来たのに、すみません」
 と・・・まるでドラマを見てるようでした。私がしっかりガ−ドを取り付けていれば、ガソリンタンクを割ってリタイアなんて無様な負け方はしなかったのにと、悔やみます。

 パジェロミニのあいつらは、大型車との混走にも関わらず5位入賞とまたもや大健闘。また借りを作ってしまいました。車高がノ−マルで、各部にガタがあるドノ−マルパジェロミニ。たしかに皆さんこの車のポテンシャルの高さを知らないとはいえ、自在に操る彼らの能力の高さは正直驚きです。「勝負はお預け」と言われ、年甲斐もなくちょっと熱く(笑)なっています。

 自分はレースにおいて作り手(エンジニア)と現場(レ−サ−)は違うと考えていましたが、どうしてもクロカンという、ぶつけても転がしてても、その凹みや傷が勲章であるという考えが嫌で、乗り手でありながら綺麗でカッコいい車をこの手で製作したいという思いから、エスク−ドという車を候補に選んだ訳ですが、クロカンに関してこれは正直なんのデ−タ−もなく、乗りながら組んで、ばらしてという先の見えない作業の始まりでした。
 まず、リジットアクスルという鎧を被った脚廻りから、フロントは剥き出しのウイッシュボ−ン。リアは扱ったことがないリジット式のAア−ム・・・正直参りました(笑)
 でも、己が操っているという感覚は確かにあるんでよ!
 それもビックリするほど。ランクルにはできない、そこ何センチか寄せるというポテンシャルを味わった時なんて、嬉しくて眠れなかったですね。欠点をもリカバリ−する走りを見つけた、そんな1台でした。
 街中で走る事だけで終わるのもいいかもしれないけれど、設計者達がこいつにクロカンやダ−トの匂いを植え付けているのが分かってしまったから、そのゾ−ンで戦わせてやる事が、自分たちの仕事!
 市場に出回っている殆どがA/Tであるのならば、前回の続きになりますが、だったらA/Tでバトルして、そのポテンシャルをしめしてやるのが、今後の私の課題ですかね!!

Egress