Evaluation 
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常に70点
2012年式 TDA4W-YNGJA6
madcrowさん

 さて、ほかの人々と同じような書きぶりから始めようと思ったが・・・ 何を隠そうこの車、自分が初めて買ったから他と比べようがないではないか!
 せいぜい比較できるのは親の初代エルグランドと爺ちゃんのファンカーゴしかない! てな訳であまり参考になるかどうかは解りませんがツラツラと調べてきた知識と、乗り手としての感覚を書いていきますよ〜。

 そもそも事の始まりは10月、急に入った米子転勤が事の初め。
 11月1日からと言われて慌てて探した車の条件から偶然練馬に居合わせたのがコイツである。
 ただねぇ、慣らし運転もせずに一年放置された車だから、最初の年は低速トルクの薄さに泣きました。オフロード車ってねぇ、アイドル回転でクラッチ繋いで止まるか止まらないかのスピードで、ゆっくりっクローリングするものとイメージしてたんですよ・・・
 そしたらトルクが薄いなんてものじゃない。ちょっと坂のコインパーキング入れるのに、ロック版が踏み越えられなくて4LL使わなきゃいけないほど非力で泣けてくる! 次の一年間でオイル交換ごとに馬力が段違いに出るようになったから良いけど・・・(今でもあの時は不具合出てたんじゃないかと思ってる。)

 既にここのデータベースには今までの各モデルの特徴は網羅されているので、3代目の後期型特有な点を挙げると、まずフロントはかっこ良くなったが代わりに背面タイヤをなくしてしまった(割にバンパーが伸びて全長変わらず)
 都会を走る分にはすっきりして見た目もよいかもしれないが、2.0Lと比べて100キロほど重くなった2.4Lエンジンが拍車をかけてノーズヘビーが出る。反面雪道ではこれがアンダー気味に補正が掛かり安定性は増しているように感じる。
 実際滑らせてみたが、馬力不足で持続しないのはその次の問題として、回復操作を入れたとたんにガックンとグリップ走行に戻らされる。むしろ軽く手を放しておいた方が真っ直ぐ走るんじゃないかと思うくらいである。
 割にホントに手を離すとハンドリングは安定と不安定のちょうど中間にあるらしく危険なのだが・・・。

 他には後期型に変わる少し前に4輪ディスクブレーキ装備になったので、後期型の車は全てディスクブレーキである。
 スポーツ走行や長距離の連続走行には、有利であるがオフ車としてはどうだろう? ドラムの方が真の意味でメンテナンスフリーだと思う。
 ディスクブレーキが整備性が良いのは掃除しろと言う裏返しで、ドラムブレーキの方がゴミが中に殆ど入らないから砂ぼこりにも強いのだ。
 そして5型と6型にしかないのがヘッドライトのブラックインナー化。これは純粋にかっこいいと思う。なぜ辞めたんだろう・・・やっぱりコストダウンなのかな?

 で、真面目な話に戻ってうちの6型とそれ以降の7型で大きく変わるのがセンターデフのLSD。6型までは電子ディバイスが付いていない車両には機械式LSDが組み込まれたが、7型以降では横滑り安全装置の全車両義務化のため機械式LSDは無くなってしまった。
 機械式のメリットとしてお尻を振るような走り方が許されるが、7型はESPがそれを許してくれない。許してはくれないが、コーナーイン側だけブレーキをかけてクイックターンを実現する。この点は走者の好みにもよるが、自分としては6型でよかったと思う。なんせ楽しいもん♪

 因みに我が家ではこの車のオンとオフの両刀使いを良い事に、峠も走るわオフロードコースも走るわ色々やりたい放題だが、やはりスペアタイヤがないので自走で帰れる範囲で止めるように心がけてはいる(実行できているとは言ってない・・・ダメじゃんw)
 その為コイツはキャンプやスキーなどのツーリングの足としての役割が主だ。
 山を走ることを前提としてるからかハイビームはかなり眩しい。そしてフォグとロービームの守備範囲がキッチリ分かれており、おのおの自分の持ち場を照らすため、街灯のない山道でも視界はバッチリだ。
 床面積的に微妙な荷台は縦に重ねる分には大量に積める。ここはステーションワゴン型の強みかな? 荷物をガチガチに積んでも後部座席は妨げないし足元は十分な余裕がある、だがしかし・・・
 そもそも後部座席はフラットにはできず、倒せる角度も限られているので、現代においては、若干時代遅れの産物だ(だからと言ってこんな車にアルファードのようなファーストクラスシート突っ込まれても邪魔なのだが・・・)
 そして、ジムニーより広いホイールベースのお陰で長距離ツーリングが楽! クルーズコントロールのお陰で、ペダルから足も解放される。何より荒い燃費を抑えられる点もうれしい。

 ここまで書いて、なんだか文句の方が多いように感じて来るが・・・タイトルで付けた70点が僕の評価。、
 この車は秀でて優れたものは無いがあらゆる状況においても常に70点で返してくれる。荷物を積むには足りないことはないが微妙に狭いし、重い車重と高い車高がオンロードでは足を引っ張り、オフロードでは足の長さが足りずに四苦八苦する。普段使いの足には燃費が悪い。
 でも最近の車で個々の性能は高くても、全てを良い所取り出来る車はあるだろうか? 雪や再凍結の轍で、路面状況が悪化して荒れた状況でも、常に70点をキープできるのは類稀なバランスだと思う。特に悪路においては荒れれば荒れるほど本領を見せてくれる。
 先代のオフ性能に比べればそれは何ともユトリな性能かもしれないが、実生活でそんなところ走るのはキャンプ場のちょっと奥の荒れた所くらいなんで、性能としてこんなもんでも十分事足りてしまう。
 そんなこんなで自分の中では決して替えの利かない汎用装備として、こいつとまた旅に出かけます。

   

Egress