Evaluation 
We are deeply in the ESCUDO.

どれほど目に触れたのだろうか
2017年式 DBA-YD21S
ESCLEV事務局

 過去にも二輪駆動のエスクードが無かったわけではないが、FFというバリエーションはこのモデルが唯一。
 当たり前のことだが四代目のセールスポイントとされるALLGRIPはそのダイヤルが無いのだから駆動配分の変えようもない、正真正銘のFFだ。
 加速していく感覚は前から引っ張られるもの。ALLGRIP仕様でもAutoモードだとそんなものだが、コーナーに入っても直線に出ても、その感触は均一。だからと言って不満があるわけではなく、あらためて「これもエスクードだよね」と再確認するだけだ。
 FRにはFRの面白さがあるように、FFにもそれがある。登坂の続くワインディングでは安定的に引っ張っていくから乗りやすい。
 そもそもこのモデルで能動的にオフロードに踏み込んでいく必然はない。ごく普通のステーションワゴンとして扱うべきバリエーションである以上、それを前提とした使い勝手で観察していくべきだろう。日常ユースというステージで割り切り、他社の有機的な面構成で固められた近未来的なクロスオーバーSUVを嗜好しない人ならば、エスクードのスクエアなシルエットは好印象になると思う。
 ・・・はずだったのだが、あっという間に車種整理されてしまって、これを購入できた人がどれほどいらっしゃるのか見当もつかない。
 実際のところ、何の変哲もないステーションワゴンだ。貨物車ではないから積載性も並で、商用には不向きかもしれない。雪国でなければ社用車には適しているとは考えられる。しかし重ねて言えば、そういう使い方をする場合、四駆版よりも低価格で取り扱いやすかったのではないかと思える。
 この際だから言い切ってしまおう。なんとなくぬめっとしてきた数多のクロスオーバーSUVとやらよりも、カタチの上ではずっとすっきりしている。これはもう一息無茶をやって、ハッチバックタイプではなくセダンのボディーをラインナップしておけば良かったのではないだろうか。

   

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