Evaluation 
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小排気量でここまで走る
2018年式 CBA-YEA1S
ESCLEV事務局

 NA1600版がカタログ落ちし、事実上1グレード構成となった四代目の現行モデル。
 1400ccという排気量は、初代の初期に少数あった、海外モデルのイレギュラーな1300を別にすれば、歴代最小排気量の量販車だ。
 しかし直噴ターボを付加したk14C型エンジンは、なかなか軽快だと思っていたM16搭載モデルよりもずっとパワフルで、滑らかに回る。
 このフィーリングは歴代のどのエスクードとも異なる。たとえばライトウェイトの代表格だった初代のコンバーチブルは、軽快に走らせられても高回転まできりっと回るエンジンではない。ハイパワー1を誇った三代目の3200では、爆発的な加速は得られるもののステアリング捌きが忙しい。
 パドルシフトの操作に慣れれば、このターボ車は極めて優秀なヒルクライムをこなす。が、ダウンヒルだと驚くほどエンジンブレーキが効かないので、無茶な運転は禁物だ。
 想像以上にレスポンスが良く、高速道路の長距離走行にも安定した性能を維持するが、リアシートの座面はデビュー当時から変わっておらず、リアサスの硬い突き上げをもろに伝えてくる。硬めの足回りとしなやかな足回りとではモノが違うのだが、長時間の後席乗車は不愉快になる。
 ALLGRIPのLockモードは、そこそこの登坂力と粘りを発揮する。注意点は電子制御デバイスであるため、オフロード走行時に一旦停止し、エンジンを止めると自動的にAutoモードに解除されることだ。
 また、四駆であることは間違いないが、この地上最低高や排気系の取り回し、樹脂製の燃料タンクといった下回りの構造は熟知しておくべき。多少の粗れ気味な林道やフラットダート、ある程度の積雪への対応は可能でも、このフロントオーバーハングの長さからくるアプローチアングルでは、極度のモーグルやクレバスには太刀打ちできない。
 ましてや四代目は(正確には三代目の後期から)スペアタイヤを持たない仕様がスタンダードであり、その状態でオフロードに入り込むのは危険だ。
 ただ、このモデルから、四代目はもともとラゲッジルーム内にスペアタイヤが搭載できることを、カタログ上でオプションの存在を明記したことは評価できる。
 
   

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