TDA モビリティおおむた
teamWESTWIN 決勝対決 

 2010年10月17日、モビリティおおむたで開かれたTDA(タクティカル・ダート・アタック)は、 teamWESTWINの今シーズン最後のダートトライアル。エントリーした車両には各グループとも排気量や改造・無改造の垣根はなく、2台一組のトーナメントで勝ち抜き線を展開する。
 勝負は先攻・後攻入れ替えによる2本のタイムアタックで、もちろん速い方が勝ち進む。軽自動車が大排気量四駆とぶつかることも、ビギナーが猛者を打ち負かすことも、このレースでは当然のように繰り返される。
 パジェロミニでダートトライアルに新風を巻き起こした川添哲郎選手の対戦相手は、パジェロ、ジムニー、パジェロ・エポリューションという顔合わせが続き、ピストンリングに限界を発症させながらも、一戦ずつこれを下していく。実は最近、彼以外にもパジェロミニを扱うドライバーが登場しており、川添効果が意外なところで表れている。島監督によれば、
 「ダートトライアルですから、フロントの切れ角が大きく、小回りが利くという点で、うちと同じ考えの人たちが出てきましたね。川添君にとってはそういう追撃も増えたということです」
 一方、今シーズンからエスクードをパイロットする後藤誠司選手は、WESTWINの島雄司監督が自ら「彼は丁寧なドライブながらコースの読み込みが早い。必ず大化けしますよ」と推薦する他チームのパジェロロング・ディーゼルを操る中村選手が緒戦の相手。三菱勢の声援の中、出だしからプレッシャーがかかるも、一回戦で負けようものなら後藤選手の背後の応援団が黙っていない。続く二回戦、三回戦のジムニー、ジムニーシエラを退け、エスクードも決勝に勝ち進む。
 ファイナルマッチは、パジェロミニ対エスクード。川添・後藤の戦いが遂に実現した。島監督は短く、ドライな一言で「複合コーナーの連続をメリハリのあるアクセルワークで駆け抜けたほうが勝ちですよ」と突き放すが、サングラスの奥の眼は笑っている。
 タイヤのグリップがなくなり、2速からいきなり5速に入ってしまうミッショントラブルを抱えたエスクードは、コーナーで大振り。しかし圧縮の抜け始めたパジェロミニはストレートの伸びが足りない。その繰り返しのなか、結果的には4Lでギアをクロスさせ、トラクションを維持したエスクードが2秒差で優勝した。
 「2人とも、応援してくださった皆さんとの約束を果たせたと思います。来年も彼らの走りを見てやってください」(島監督)
 WESTWINの今シーズンは終了した。来期の各競技に期待をつなぐ川添・後藤両選手の成長が楽しみだ。
  

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