Exemplary 
We are deeply in the ESCUDO.
その後の戦うエスクード
Team WESTWIN-Witches
 「みんながあっと驚くような車で、勝ちをねらいたい」
 WESTWINの島雄司さんが貫いてきた信念。その背中を見てきたお弟子さん達の中から
 「エスクードで走りたい」
 という声が出てきた。それが女性陣からの意思表示だっただけに、当の島さんでさえ、あっと驚いたのである。
 今年1月にエキジビションとして企画されたXCダート・九州。そこでリタイアとなったTA01Wをもう一度走らせる。二重の驚きを伴い、本格稼働を始めたXCダートレース二戦が、9月21日に開催された。
 ムツミさん、マナミさん、ユキエさんが結成した「Team WESTWIN−Witches」は、事実上この手のレースに出走するのが初めて。競技ルールを覚え、エスクードの整備マニュアルを学ぶところからスタートした。
 2人のドライバーの身長差が大きかった。身長が低い方の目線にシ−トの高さを合わせた状態で、背が高い相方がヘルメットを被った状態で座ると、頭が天井に当たってしまう。
 「この問題は、純正のシ−トレ−ルを加工、ブラケットを製作し、何とか、お互いが運転できる高さを作り出す事に成功しました。もうこのエスクードは彼女たちのもの。台風の目になると良いな」
 かくしてレース当日、本当に台風通過後の連鎖低気圧が大雨をもたらし、コースコンディションはダートではなくマッド。ダウン・アップのギャップが池と化してしまった。このコースは埋め立て地の造成によって、土には硬化剤が混ぜられているため、単なる泥でもない。並み居る強豪のジムニー達も滑る、はまる、エンストする。同じWESTWINのXCダート用パジェロミニでさえ、ウォーターハンマーを起こして停まってしまった。
 その混戦の中、よく言えば基本に忠実なマイペース、別の表現だと『動くシケイン』のエスクードが、淡々と周回をこなす。おっかなびっくりなのか? それはそうだろう。と思えば、
 「あいつら笑顔で走っているんですよ。そりゃ怖いでしょうけど、それ以上に楽しんでいた」
 島さんは彼女達を見て、嬉しそうに、ついでに苦笑していたらしい。結果、16台エントリー (うち1台本戦走れず)で総合8位。N1クラスでは6位に入賞。表彰台は遠かったが、他チームもあわせてこの日出走したエスクード3台の中ではトップで完走した。実力のほどは推して知るというやつだが、前回ゴールへたどりつけず、島さんの出番もなかったエスクードを完走させたことが、彼女達の成し遂げた仕事なのだ。
 後日、第1ドライバーを務めたムツミさんと対話する機会があった。
 「何から何まで初めてでしたけど、面白かったですよ。チームや沢山の人たちに助けてもらって、走ってみたいという想いを実現できました。エスクードって、思っていた以上に操作しやすいクルマです。またエントリーしたい」
 今後の展望は定かではないが、ダートレースに興味を示したムツミさんは、その後のダート競技でも他車の挙動を観察するなど、新たな学習を始めたらしい。再びコースに走り出すとき、このエスクードでエントリーしてくれれば嬉しいことだ。実は個人的にもエスクードには興味があるらしく、ESCLEVでは初代ならば01系もいいし、プライベートで使うならば51系を探してみてと、密かに推薦している。
     レース当日の写真は スーパースージー誌
    編集部さんからご提供いただきました。

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