総合優勝 メタルマグナムさん
K6Aの底力に本人もびっくり

 当日の天候は薄曇り主体で、区間により俄雨。さらに晴天と、凡庸に変化した。気温は18℃から26℃と、標高差も手伝い蒸し暑かったり肌寒かったりしていたが、内陸の東北道よりも沿岸の常磐道の方が、午後内向していたこともあり、冷たい風を伴った。
 午前中のルートでは、エアコンを使いたくなる陽気だったのだが、ここでも使う派使わない派、窓を開ける派開けずに耐える派と様々なかけひきが見られた。
 最も判断が難しかったのは、4箇所の休憩ポイントのどこで昼食をとるかだったようだ。午前中から各SA、PAともなかなかの混雑で、並んで待つうちに品切れになる人気商品。空席の無い混み具合に、時間だけが経過していく。
 燃費競争ながらタイムリミットが設けられているのだ。そして次のポイントが空いているとは限らない。
 燃料タンクの容量が少なく、ターボ車でもあるワゴンRワイドとRRは、万が一のガス欠を懸念して200km地点での途中給油を申告。区間燃費を記録しておき、トータル燃費を集計することとなった。
 これはあとになってフルタンクでの磐越道登り区間で不利となるのだが、ふたを開けてみればさすがのK6A型3気筒エンジンという結果を見る。

【クラス1】
SIDEKICKさん エスクード3ドア
計測燃費 14.87km/リットル

青影さん エスクード3ドア(2代目)
計測燃費 15.06km/リットル


【クラス2】
TA01Wさん&ricoさん エスクード2.0XG
計測燃費 14.64km/リットル


コムロさん グランドエスクードFIS
計測燃費 12.76km/リットル

あおいろさん エスクード5ドア(2.0)
計測燃費 12.34km/リットル

kawaさん エスクードV6ノマド
計測燃費 13.69km/リットル

sugiさん エスクード2.7XS
計測燃費 11.20km/リットル

れいん&雷蔵 エスクード5ドアV6(2.5)
計測燃費 10.03km/リットル ←やる気あるのか?


【クラス4】
ASAMI−WIDERさん ワゴンRワイド
計測燃費 14.38km/リットル


【クラス6】
メタルマグナムさん ワゴンR RR
計測燃費 17.65km/リットル
 



 各クラス優勝(といっても4、6クラスは1台ずつしか参加していないが)は上記の色分けの通り。
 メタルマグナムさんのワゴンR−RRが、パイロットする本人ですら「ありえないー」と驚く伸びを見せて走っていた。ブッチぎりの総合優勝である。
 クラス4も単独出走とはいえ、クラス優勝はクラス優勝。その中味も優秀だ。ASAMI−WIDERさんによれば、4気筒化されたK10Aを搭載するワゴンRワイドXZは、980kgという軽量さでテンロクエスクードを彷彿とさせる。その10・15モード燃費は14.6km/リットルなので、性能をほぼ引き出したと言える。
 総合2位に入った青影さんのエスクードも、クラス1内では同じエンジンの初代を運転するSIDEKICKさんと一騎打ちとなった。ここにはマッドテレーンながら細身の大径タイヤで臨んだことと、エンジンのセッティングをハイオクタン燃料仕様に調整している青影さんのアドバンテージがものをいう結果となった。けれどもSIDEKICKさんも悪い数字ではなく、レギュラーガソリン同士での条件統一だったら、勝敗は逆転していた可能性もある。
 これに続くあおいろさんも同じJ20Aだがロングボディに荷物満載で、マッドテレーン。トルクの追随が間に合わないノッキングもあったというが、3名乗車でメリハリのある走りをしながら、12km台に持ってきた。
 このJ20Aが搭載された3代目XGは、エンジンのリファインや電子制御スロットルの効能か、ノッキングがない。しかしそれ以上にこれをドライブするTA01Wさん&ricoさんは、他者が追いつけないアベレージでありながら、リッター14km台をたたき出している。2.0XGの素性は、実は非常に高いのだ。
 同じエンジンという2台では、sugiさん親子の3代目2.7XSと、コムロさんのグランドエスクードの組み合わせがあった。
 sugiさんはクルーズコントロールで安定した走りを続けていたが、フルタイム四駆とFRの違いや、乗車人数、タイヤ種別などの明暗をみせた。3名乗車のXSのリッター11kmもなかなかのものだが、12km台後半へ持ち込んだグランドエスクードは大健闘だろう(でもsugiさんはブービー賞をもぎ取っていく)
 初代V6勢は、kawaさんとれいん&雷蔵。ここはほとんど勝負にならない。終始バキューム計をチェックしながら、アクセルワークに気を配っていた2.0のkawaさんは、トルクバンドの狭いV6ながらリッター13km台をマークする。
 対して、2.5のトルクの余裕をまるっきり利用せず、「回してなんぼよ!」の韋駄天れいん走法では、F−レイドの趣旨すら理解していないのである(ただし撮影車両として先行する必要があったためである)。それにもかかわらず、計ったようにカタログ数値に合わせてくるのだから文句の言い様がない。

 今回は話題の時期でもあり高速ループを利用しての開催だったが、そのステージもあって予想以上の数字が出た。ラウンド2においては、一般道の利用も視野に入れて検討してみたい。