総合優勝 青影さん
やはり有利な軽量と5MТの組み合わせ
 11月中旬の富士山スカイラインの紅葉はほぼ終わりに近づいている。標高が2000mに到達するあたりは、雪こそ降っていないものの、すでに冬景色だが、予想していた身を切るような寒さには至らず、登り区間を走り切ってしまう。
 それぞれの車両が走り去る様子を途中の撮影地点で観察していると、Fレイド独特の走り方で現れては消えていく。エンジンが回っていない。トルクで走らせるかと思いきや、2000回転くらいの音しか聞こえてこない。しまったー、少なくともこちらは500回転は上を使っていた。
 折り返し点での休憩中に聞いてみると、2台の3代目エスクードは、どちらも瞬間燃費計でリッター5キロ程度を示していたという。インジェクションが開いている割合でみれば、加速時の数値はそんなものだろう。あとは閉じている割合との波の組み合わせ。下りでどれだけ消費量を稼げるかにかかってくる。
 エンジンブレーキをどのように使うか。2台のマニュアルミッション車と3台のAТ車は、それぞれの車重とタイヤのグリップで減速とコーナリングのタイミングを計っていく。平たん路においても、極力アクセルによる加速は避けたいところだが、そういう区間に限って後続車が近づいてくる。
 復路を走りぬいて指定給油所に戻る。スタート時にレイドの趣旨を説明し、2度目の給油は原付のスクーター並みと申し出ておいたおかげで、満タンに入れてもらいながら6リットルという数字にあらためて笑われる。
 「さっき、4リッターも入らなかった人がいたよ」
 恐るべき成績が出ていることを教えられ、伝票に記録を書き込んで集合場所のふもとっぱらキャンプ場に戻り、各自の燃費を計算(下記データ。緑はクラス優勝。赤はクラス並びに総合優勝)

【クラス1 エスクード1.6シリーズ】
教授さん エスクードXC
走行距離57.2km 給油量4
.86ℓ 燃費11.76km/ℓ

【クラス2 エスクード2.0~2.5】
s.Doさん エスクードV6ノマド(4AT)
走行距離55.6km 給油量5.76ℓ 燃費 9.65km/ℓ

青影さん エスクード3ドア(2代目 5MT)
走行距離56.1km 給油量3.75ℓ 燃費14.96km/ℓ総
合優勝

雷蔵 エスクードV6 2500cc(4AT)
走行距離54.5km 給油量6.10ℓ 燃費 8.93km/ℓ

【クラス3 エスクード2.7~3.2】
SPFYOさん エスクード3.2XS(5AT)
走行距離55.5km 給油量6
.61ℓ 燃費 8.39km/ℓ

 クラス単独出走は自動的にそのクラスで不戦勝。それにしても青影さんのリッター14km台は恐れ入った。
 「前回のFレイドよりいい数字だよ」
 やはりエンジンブレーキ時にインジェクションをカットできる機構の5MТは強い。そして1.4tにハイオクタン使用のエンジンという一見の組み合わせで市場では敬遠されていた3代目ショートの成績も、特筆すべきではないだろうか。
 「回さないと走らないから、市街地走行はもっと落ちますが、長距離ではこんな感じです」
 今回、コース設計としては距離が短すぎた。新5合目折り返しから裾野を1周くらい加えた方が面白いかもしれない。次回富士山ラウンドを行う際は、はそこまで枠を広げよう。