雪深い町の春は少し遅くやってきて、ちょっと長く滞在する。
夏が短くてもいいから、ゆっくりくつろいでいってねと、羅須軽小僧たちは出迎える。
2005 水無月
「お花畑はいつきてもいいなあ」
「きれいだし、広々しているからね」
「hanapyさんがロードスターを持ち出したわけがわかりましたよ」
「北海道の夏は短いというけれど、その分少しだけ、春が長く居られるんだ」
「羅須軽党の里は、もう梅雨入りしたかな」
「うん、でも向こうは夏が長いよ」
「毎日飽きもせずによく降るねえ」
「この花は涼しげでおいしそうだよ」
「またそうやって食い物に結びつける!」
「蒸し暑い。頭領、アイス買ってよ」
「お前が合羽を脱げ!」