開催場所の問題や新型コロナウイルス感染拡大によって、2020年で「つくばーどin岩間」は休止状態になった。
 一番の打撃は、それまでの開催地がグランピング化して、価格の高騰よりも参加定員を受け入れられなくなったことにある。そのことは致し方ない。つくばーどの黎明期から馴染んだところだったが、天狗の森スカイロッジでの月遅れ新年会は看板を下ろした。
 だからといって、「岩間」の冠を降ろすことはしたくない。岩間という町自体無くなって久しいのだが、これもまた長いこと親しんだ場所の象徴だからだ。
 どうする? という課題をめぐって、あのコロナ禍ピークを過ごしてきた


 2021年、天狗の森から尾根ひとつ北の森に「ニコニコキャンプ」というオートキャンプ場が開業した。その時点で「笠間市岩間エリア」であることが一番の注目であったが、コロナ禍でもありすぐに動くことができなかった。
 感染予防問題は依然として残るが、件のウイルス感染が5類に移行しひとまず警戒態勢は少し緩んだ。予防についての注意を怠ることなく、イベント復旧の模索のため、コムロさんとSIDEKICKさんに協力していただき、テスト版つくばーどとしてニコニコキャンプを訪ねることとした。
 地元企業が自ら開発したキャンプ場は南東面に開け、下界の猛暑を寄せ付けないちょっとした標高と、太平洋から流れ込む緩やかな気流が山肌を駆け上ってくる。
 9月2日正午の時点で、外気温が30℃を下回っていた。
 数十のサイトは金曜日からの連泊や早い者勝ちの場所取り客でにぎわう。設備は昔ながらのキャンプ場だが水洗トイレや水場も完備された標準的なグレード。家族向きのツリーハウスもある。
 フリーサイトは1区画に車両2台を入れられるゆとりを持ち、上水道から遠ざかるものの最上段区画体は夜景を臨むのにちょうどいい。
 日没後、麓の集落から秋祭りのお囃子の稽古が聞こえてくる。この季節は月の出から一晩中、頭上から月明かりが降り注ぐ。何より静かだ。
 ハードルがあるとすれば、キャンプ装備の無い人の参加が可能な仕組みにしなくてはならない。そうなると一番取り組みやすいのはデイキャンプだが、フリーサイトの予約は出来ても場所指定はできないので、複数区画の確保のためには場所取り要員の協力が必要だ。

 
 
 「オートサイトやフリーサイトとは別の、グループ用サイトを提供できますよ。ただしこの場所は日曜日にしか開放していないのですが」
 管理人がそのサイトに案内してくれた。樹齢100年に達していそうな巨大な樅木がそびえる区画の奥が、そこそこの台数を受け入れれるスペースとなっている。樅木手前にも来客用駐車場がある。
 「デイキャンプならばおひとり様あたりこんな料金です」
 破格の値段だ。これは試してみるしかない。「つくばーどin岩間33」と「ESCLEV開設20周年」を同時に行えるのは今年しかない。「岩間34」以降は、参加者の意見や要望を聴きながら、週末泊キャンプへと拡張していこうと思う。