初日のツーリングは、杉野沢温泉から妙高小谷線へ向かう。峠越えは最初からあきらめ、一部の枝線を利用しての周回ルートを目指した。
 この周回ルートは多少の藪こぎと、やや荒れた段差越えがあるため、周回路手前の広場で2斑に分割、「行ってこけても知らないぞ」という自己責任で、数台が乗り込む。
 意外にも、最初にスタックしたのは、一番林道慣れしているはずのカイさんであった。ラインは問題ないのだが、どうしてもリア片側が浮き気味となり、接地してもトラクションを得られず空転する。
 何度かのトライを繰り返して、なんとか段差へ乗り上げることに成功した。続いて、でぃやんがトライする。力ワザでアタックするノマドは、バウンドしながらもクリア。これはミスったら笑い者だと、すとらいくらすかるも後に続く。ぽんっと乗り上げて、カイさんのところへ移動すると、
 「えっ、楽勝でした?」
 「はい、楽勝でした」
 「えーっ、ほんとですかーっ?」
 本当も何も、ここにこうして来ているだろうっ!
 というところへ、次々と乗り越えてやってくる初代陣。カイさんは複雑な心境だったに違いない。
 「らすかるがクロカン(いや、それほどのところではなかった)するところ、見たかったのになあ」
 「げげっ、まさか誰も写真撮っていないのか?」
 「いやー、まさか行くとは思わなかったんで、あっけにとられて見とれてましたー」
 行くも何も、一本道であとが詰まってて戻れなかったじゃないかーっ!
 こうして、ライトクロカンとはいえ、らすかるのアタックは、幻のアタックになってしまった。