初日の湯沢林道は、長野県高山村から群馬県堺を目指して標高1800mまで駆け上る森の中のルートだ。
稜線の毛無峠には、小串鉱山跡の遺構が残され、荒涼とした風景が広がるが、山懐に分け入ると今シーズンの紅葉が始まっており、その彩りがざわめくように迫ってくる。
例によって、3分程度のインターバルを設定し、1台ずつスタートし、ルート上での混雑を起こさないよう各自のペースで走る。
それだけで、約17キロのフラットダートは充分な紅葉見物が可能となる。しかも、1台ずつほぼ貸し切り空間が生み出せるのだ。
しかし撮影班が大ボケをかまし、実は峠から降りてきてすれ違う際に対話したことを知らず、合流したと思い込んだものだから、撮影ポイントで待ち受けていても上がってこない青影さんにトラブル発生か?とビビる。
青影さんが高山村へ下って行ったことを知っている他の参加者は、いつまでも登ってこない撮影班にトラブル発生か?とはらはらする。
単独走行にも時々落とし穴が発生するようだ。
3連休初日で混雑するかと思われた万座から志賀高原の国道リエゾンは意外にもスムーズに移動でき、夕刻には停泊地の「空とブウサギ」にたどり着く。
今回の宴会では、5日後に迫った新型エスクードの情報公開や評価の展開で大いに白熱した議論が交わされた。
当然、賛否両論の声は様々だったが、その情報量の豊富さと分析意見の濃さには、もしここにメーカー関係者がいたなら目を丸くしたことだろう。
そのせいで寝落ちも館内遭難もなかったように見えたが、なんと翌日早朝、狼駄さんが近所に釣りに出かけて迷子になるという笑い話が発生した。
「しょーがないだろ! おれ9年ぶりに来たんだからさあっ」
ちなみに、彼が出かけた早朝、妙高界隈が雨であったことは想像に難くない。
妙高高原のつくばーどは、妙高小谷線がメインステージで、新潟から長野に抜けていくことが看板なのだが、このイベントはほぼ5割の確率で土砂災害に阻まれ、途中引き返しを余儀なくされる。
ことしも乙見トンネルの改修に加え、手前のルートで土砂崩れと倒木があり峠越えは断念した。
一方で、2日目から参加した嵐田霰が、初めてBLUEらすかるのハンドルを握るデビュー戦もみられた。
「初めて会ったときにはこーんなにちいさかったのにねえ。あられちゃんがエスクードを運転している姿を見ることになろうとはねえ」
と、コムロさんが目がしらをおさえていた。
妙高市の杉野沢にも秋は訪れており、湯沢林道以上に景色を堪能できる日曜日が過ぎていく。
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