JACリサイクルパーク仮オープン

 6月の「つくばーどinらいとにんぐ福島Ⅳ」で紹介したジェー・エー・シーのリサイクルパークが、フードコートをオープンさせた。
 10月にはレストランが立ち上がるそうだが、軽食としてピザ、ポテトフライ、ジェラートを販売開始している。
 小人サイズ?の古民家風雑貨コーナーをくぐりぬけ、階段を昇っていくと、津波流出で排気された貨物コンテナが化粧直しされ、フードコートが出迎える。
 椅子もテーブルも廃棄された部材を組み直したものだ。テラス部材も階段もしかり。リサイクルパークを構成する建屋のほとんどが、ジェー・エー・シーの本業である解体と廃棄物リサイクルのノウハウで再生されている。
  ここからは同社の工場越しに蔵王の山並みがよく見える。
 工場棟が邪魔、というのは無粋な意見で、リサイクルを地域社会に啓発したいという同社の主張を照らし合わせれば、美しい景観はリサイクル社会の未来につながるのだ。

 前置きはこれくらいにして、ピザはクリスピータイプが3から4種類。これにトッピングするキノコや野菜類は、工場の余熱利用で温室栽培されている。
 ポテトフライはジャガイモとサツマイモ。粗切りジャガイモがボリュームたっぷりでおすすめだ。ジェラートは4種類だがトマトとフランボワーズのミックスが意外とうまい。
 ピザ2枚、ポテトフライ、ジュース2杯で約3000円税別。田舎では高額に見えるかもしれないが、デリバリーピザの専門店でオーダーするピザ1枚分が同等の価格と考えれば、善戦していると思う。
 パーク自体がまだ整備途上なので、設備の充実はこれからだが、ユニバーサルデザインやバリアフリーといった部分にはもっと手を加えたほうがよさそうだ。
 パークの下方には手作りの庭園や見学可能な温室と、温室栽培物の直売所があるのだが、これらを上り下りするには高齢者向けの手すりがほしいところだし、車いすでも立ち寄れるアプローチも必要だろう。
 細かいことを言えば、ちょっとした丘の上にあるパークの立地は、フードコートに風よけを置くべき。しかも蔵王の景観が見えなくならない透明な風よけがほしい。
 そういった部分は、安全対策も含めて完成形に向かっていくことを期待したい。
 東北道村田インターチェンジから、蔵王方面に向かって3分程度の距離。11時から18時ごろまで営業している。
 
 不忘山林道へ小一時間のリエゾン

 JACリサイクルパークから遠刈田温泉経由で約一時間。南蔵王の山麓にたどり着く。宮城県の県道51号線、白石市と七ヶ宿町の境界付近に入り口があり、不忘山林道(宮城側)14.5km,南蔵王林道(山形側) 8.2kmの林道に分け入る。
 林道の県境付近は標高1100mほどまで駆け上がる最乗中のルートだが、宮城側は蔵王連峰の火山帯の一部でもある。冬季は閉鎖されるし、雪解け雪崩、豪雨によって崩落も多いことから、通行できないことも少なくない。

 宮城・山形の山越え林道は、おしなべて宮城側の手入れが悪いように感じる。不忘山林道もそのひとつで、山形側は林業が盛んなため道自体が締まっているが、宮城側は少々荒れている。
 それでも、不忘山林道の幅員はパジェケンさんのTD54Wでも心配なく通行でき、同クラスの自動車とのすれ違いも容易だ。
 手入れが悪いといってもガードレールなどは完備されている。今年の状況で言えば、下草刈りが済んでいて藪も少ない。四駆ではない乗用車も往来するから特筆すべき事項ではないが、何か所かの段差を横断する。その際、ノーマル車高のTD54Wだと下腹をこするケースがあった。
 とはいえ、これくらいのコンディションが維持し続けられれば、通行車両が安全とマナーを順守することで、快適な林道ツーリングが可能な良ルートと言える。
 山越えすると山形県上山市に下る。国道13号線にアクセスできるが、近傍を走る山形県道の13号線(舗装)で国道113号線にトラバースすれば、再び宮城へ入り七ヶ宿の宿場街道に出られるので、その方が走りごたえがある。