コロナ禍がオミクロン株という新たな展開を見せ始めているが、基本的な感染対策に注意することで、リスクは軽減できる。様々な場所で多くの人々がそれを考えているはずで、今はまだワクチン効果の小康状態でもある。
 エスクード仲間も昨年は自粛にならい、我慢を続けてきた。良識のある面々だと感心した。だから、今回企画した林道行きについても、3台くらいの参加があれば面目躍如かなと思っていたら、7台とプラス2台の顔ぶれとなり、賑やかな開催とすることができた。。


 酒寄林道から鬼ケ作林道、仙郷林道へと短距離ルートを設定し、一けた台とはいえ隊列での走行は周囲を圧迫するので、それぞれ距離を取って中間地点のキャンプ場を目指す。
 復帰第一弾であったはずのBLUEらすかるは、2日前にエンジンのオーバーホールから帰ってきたばかり。まさかアクチュエータの組み直しで作業ミスが起きているとは知らなかったため、四駆に切り替えたのにインジケーターが点灯しないしフロント駆動の手ごたえも無い。
 あれっ? というときには林道分岐の左折コーナーに侵入しており、ここが直角に曲がる斜度付きの凍結路面。危うくスリップで登れなくなるところだった。
 前方に和邇お嬢姉・舞さんと助手席に和邇さんが乗るジムニー、後方に林道ビギナーのクロさんを従えていたこともあり、かっこ悪いところは見せられない(そういう問題か?)と、滑り出すリアを抑えながらなんとかクリアできた。
 2日前に霙の運転するぷらすBLUEで点検した時には無かった凍結区間。それほどの寒気が来ているのだが、山からの流水がこの2日間で予想以上に出ていたようだ。
 その後中継点に辿り着く直前、先行していたはずの何台かがなぜか背後に現れる。
 なんで? と聞いたら、中継点をカーナビで登録したら、゜案内ルートが一旦真壁へ降りて地方道から上がってくる別ルートを指定したらしい。

 
 仙郷林道には「かつてのまちゃんがオルタネータ故障で動けなくなったのがもう16年前」という、風花さんの苦い思い出がある。今回は四代目エスクードでの再戦。迎え撃つのはところどころに張り出している枯れ枝。即席の藪漕ぎバリアを「あおちゃん」に施し、知らない人が見たら何事か?という姿で通り抜ける。kawas.さん、s.Doさん、TA01Wさんの三代目は藪をものともせずに通過。青影さんをはじめとする初代組は、林道サイズの利点をあらためてエスクードに見出す。
 ここでBLUEらすかるにもうひとつの懸念が発生。計算上、昼食地点で82万キロを刻むはずだったのだが、再計算すると、どうも1.5キロほど早く到達してしまうかもしれない。1キロ未満だったらオドメータの撮影は有効範囲だが、これはいわゆるキリ番が崩れてしまう。
 案の定、その通りになってしまい、手前の地方道で路肩に停まらざるを得ず、後方の面々に迷惑をかけることとなってしまった。

 

 今回、昼食の場所として、国道沿いの老舗レストラン「キャニオン」のお世話になった。店主の平田さんは二代目にあたるシェフで、四駆ではなく七代目スカイラインのオーナーだが、創業者で先代のお父さん譲りのカーマニア。キャニオンそのものがクルマ好きのため、陸送ドライバーのために生まれた。もう51年になる。あまり関係ないが、平田さんは雷蔵の妹・吹雪の高校の後輩だそうだ。
 キャニオンと言えば「Aセット」。大げさではなく全国区の知名度で、常連には広島県や北海道在住でそこから自走してくる壮年ライダーもいる。
 Aセットは創業時にはハンバーグとエビフライ、エビフライ2本という献立だったが二代目平田さんがカキフライを追加し、ハンバーグとカキフライ、カキフライとエビフライの四種となっている。
 「そこまで組み合わせるなら、ハンバーグとハンバーグもやってほしいなあ」
 「いやそれ、大きめのハンバーグセットがあるから」
 「オーナーに伝えときます」
 「えっ、伝えちゃうの?」
 こんな要望を出したのは、つくばーどが初めてだろう。結局、ふたつのハンバーグとエビフライのそれぞれをトレードし、「まぼろしのハンバーグとハンバーグのAセット」が配膳後に作り出されていた。