コロナ禍続きで新年会も開催できない我々の2021年を知ってか知らずか(まあ知るはずもない)、延期になった梅まつりにもかかわらず筑波山を行き交う車両はどれもこれも他府県ナンバー。梅林はまだ三分咲きですよあなたがた、と言いたいのだけれど、行事は延期になっても梅林側の林道は予定通り2月13日からのまつり計画期間中、来月下旬まで通行止めになってしまう。
 2月11日に林道点検←言い訳 を立案したのはそういう事情と、もともと茨城県なんて首都圏じゃないから国から非常警戒宣言も受けていないので、独りつくばーどでも走ってくる目論見だった。
 昨年、トレッドを左右合わせて60ミリ拡幅したコムロさんが、ダートでの挙動のチェックを兼ねて同行してくれた。


 梅林から入る酒寄林道は、筑波山を南から西へ回り込むにつれ樹林の立ち枯れが顕著になってきた。環境汚染なのか樹木の老化なのか害虫繁殖なのかいろいろ考えられるが、同時に昨年の台風や豪雨でかなりの倒木が道路をふさいだ。それらはすべて撤去され路傍で朽ちている。この区間が3月21日まで、観梅期間の通行止めとなる。
 倒木傾向は酒寄から鬼ケ作林道に移っても同様だが、桜川市側の樹林は下草刈りが行き届いておりつくば市側のような篠竹や蔦の繁茂は見られない。しかしダートだったころは誰とも出会わなかったこの区間もいつしか舗装化され通行量が多くなり、我々は振りかざしたことはないが既得権が自転車やハイカーの手に渡ったようなムードではある。

 
 鬼ケ作から仙郷林道への橋渡しとなる筑波北麓は、2017年に走ったとき既にかなりの斜面が伐採されていて、東京オリンピック競技施設のため? と邪推したが、その後、雑な仕事だが植林は行われていた。しかし眺望が開けて良いことは良いが、ルート上にガードレールなどの設置は無い。どちらが正しいのかは何とも言えない。山側で張り出している樹木にもマーキングがあり、このあと杭が打たれていくと舗装化の懸念もある。
 仙郷林道は筑波山中で通り抜け可能な、唯一残されたダートだけに、よほどの崩落損壊が無ければほっといてほしいところだ。
 ここを下っていくと、土砂崩落の修繕箇所がいくつかあり、やはり台風の影響を受けていたことがわかる。さらに林道出口に所在した国民宿舎は、施設の老朽化とコロナ禍のあおりをうけ、昨年8月に閉館した。

 

 実は11日以前にここまでの偵察は行っていたのだが、仙郷林道のあとは湯袋峠を真壁側に下って、いきつけの蕎麦屋にカツ丼を食いに行く構想だった。ところがこの偵察日は、峠の県道150号月岡真壁線が真壁側の工事で日中は2月末まで通行止めだった。
 数日しての今回、その警告看板は無く、突貫で工事を終えたか休日のみ通行可能としているのか不明だった。コムロさんの午後の予定もあり、真壁の蕎麦屋は計画から外して八郷(石岡)側へ下り、ひとつ北側の県道7号石岡筑西線で上曽峠へ上がり、北筑波稜線林道へと分け入る。
 その入り口には「3月5日まで岩瀬側へ抜けられない」との看板が出ていた。
 桜川市のホームページ検索では、昨年秋に「林道北筑波稜線第2工区(桜川市真壁町山尾・白井地内 区間 パラグライダー離陸地〜一本杉峠の区間)の通行止め解除」というお知らせが出ている。一本杉峠までは行ける、ということだろうから、まあ問題ないと思った。
 のが、間違いのもととなる。


 北筑波稜線林道は海保井の林道で最も長い区間だが、全線舗装でたいていの車両が速度オーバーで行き来する。こちらの林道速度(法定速度として定められているのが時速20キロ)というルールを全く理解してくれずにあおられる。こちらはエンジンブレーキとトルクによって減速していることで、ブレーキランプが点灯しない。あおってくる後続車はおおむねコーナーの途中でとっちらかるが、直線で再びかじりついてくるので路肩に寄せてやり過ごす。
 パラグライダーやハンググライダーのカタパルトも所在する稜線だが、昔よりもその利用者が増えていて、機材も人出も多くなっている。密だよそれはという以前に、あなた方滑空場には入るなと鎖を張って主張している割には、稜線林道そのものは公道なのだという認識がないでしょ? 路上に資機材を拡げはみ出させているのはどうなのよ? などと考えながらそれを通過したところで、工事バリケードが出現。
 おいおいっ、市のお知らせと話が違うぜ。てことで1.5車線の路上で切り返して撤退。三代目エスクードが意外にその場で切り返しターンできることにちょっと感心した。
 
 引き返し途中の待避所でコムロさんとしばし立ち話のあと流れ解散し、再び八郷側へ降りて古民家の喫茶店で独り昼飯をいただく。パン屋の方は東京の有名店の支店だそうだが、土間で販売しているハムやベーコンは地元産。どちらもうまい。