《つくばーど in 山梨》

 2003年9月中旬。三宅坂から国道20号線に入っていたが、いやになるほどの渋滞にはならなかった。
 しかしこのまま街道を進んだわけではなく、中央道に乗ってしまうところがいいかげん。
 そのくせ、大月インターで降りて笹子峠を越えるところも行き当たりばったりである。
 土曜日の「つくばーどin山梨」に参加するための移動。
 そう、今回は「参加」なのだ。こんどのつくばーどでは、僕は幹事ではない。
 今回の幹事は、夏前から林道ツーリングの打ち合わせをしていたカイさんに委ね、山梨県韮崎市界隈の林道案内をしてもらうことになっている。
 今回のつくばーどは久しぶりの正調つくばーどで、クルマの顔ぶれも面白い。
 残念ながらV6-2500ccは欠けるのだが、G16A、H20A、J20A、H27Aと、エスクードのエンジンがほぼラインナップされ、おそらく名機と呼ばれるであろうM13型(ジムニーシエラ)も参加する。
 これは単にグランドエスクードが参加する。というだけのことなのだけれど、カイさんのエスクードも現行型のハードトップで、2代目エスクードが二台参加し林道を走るというところに多いに関心が湧いているのだ。
 久しぶりなので、遅刻することは許されないから、前夜に現地入りする。
 しかしそれなりに忙しかったので、道の駅で車中夜明かしできるスタミナがない。
 そこで温浴系の宿を探して素泊まりで乗り込む。

 うむむ、幹事でないと途端に卑怯者だな、俺。

 いろいろなエポックが重なる今回のつくばーど。
 浜松のSIDEKICKさんを恫喝・・・いや誘った。
 この半年間、職場の安定化に忙殺されていて、まったく外に出られなかった彼も、
「おめー、静岡とは行かなかったけれど、俺が隣県まで出てきてんだから、顔くらい出せ」
 という、僕の恫喝・・・じゃない誘いを快諾し、半年ぶりの復帰戦となった。
 20号線沿いのファミレスで待ち合わせし、朝飯を食う。この間に道の駅にらさきには、前夜から乗り込んで仮眠をとる人、早朝到着でやってくる人、それぞれの参加者が集まり始めている。

上記2名を除く今回の顔ぶれ。

☆Rikerさん☆
あれっ、いつの間にエンジンを横置きから縦置きにしたのだ? 
と思わせる1300ccジムニーシエラにスイッチしての参加。
そう、SUZUKIっずミーティングではスイフトの4WDに乗っていらした。
シエラはスタビライザーと足回りなどを変更している。

☆カイさん☆
現行型エスクードで、最終型となった2000cc3ドアハードトップ。
週末は林道探検にいそしんでおり、山梨県内はホームグラウンド化しつつある。
なるほど甲斐の国のカイか? と思ったら、同居しているネコの名前が「海←kai」で、
犬の名前が「空←クウ」だとか。
それが流用されている。するとエスクードは「リク」?

☆devilockさん☆
グランドエスクード。つくばーどにグランドエスクードで登場した最初のユーザー。
オフ会も初参加とのことだが、なんと嵐田一族の呪縛には、
出逢う以前からがんじがらめという、数奇な宿命を持っていた(詳細は割愛。世の中は狭い)

☆Petrさん☆
1600ccノマドにオリジナルパーツを装備し、非常に独特のシルエットに仕上げている。
フロントバーの補助灯やシュノーケルが目を引くが、ヘッドライトやテールランプカバーが、
このノマドの表情を本当の意味で作り上げる。
思い込んだら数百キロを爆走してくる義理堅い男。

☆ジムゴンさん☆
赤い1600ccノマドは、実は4台目のエスクードだという(いるのだ、僕の他にもこういう人が)。
朝霧高原で開かれているJJに出かける途中、道の駅に立ち寄ってくれた。
3人のお子さんがみんなかわいい(奥さんがまた美人だ)。次回は一緒に走りに行きましょう。

☆だいすけさん☆
フロントデフが破損している手負いの状態にもかかわらず、あの1600ccノマドでサポートに来てくれた。
勤仕様のラジアルタイヤでFRオンリーは、ときに苦戦するルートもあったが、
それ自体を楽しんで結局はクリアしていくというエキスパート。

☆pakuさん☆
1600ccノマドは、マリンスポーツ仕様のヘリー・ハンセンなのだが、
これにジープサービスをはかせて、林道の特に廃道分野に乗り込んでいく。
そうか、pakuさんにとっての“海”というのは“樹海”のことだったのだ。


林道前山大明神線
 県道27号線と23号線を結ぶ。わかりやすく言えば、韮崎インターから須玉インターまでの区間を、中央道ではなく遙か北側の山間部を抜けていく砂利敷きの林道だ。
 本線は部分的に浸食した轍が刻まれているが、エスクードのような地上最低高控え目の四駆でも問題なく走れる。枝線に不用意に入り込まなければ、初心者が散策するのにはいいステージだ。
 茅の岳という山への登山道入り口でもあり、交通量はそれなりにありそうなので、ブラインドコーナーには要注意だが、この日は全線を通して昆虫採集に来ていたジムニー2台、ツーリングに来ていたトレイルバイク1台としか出逢わなかった。
 8台で山に入るというのは、林道ツーリングとしては大所帯なので、交通量のコンディションには恵まれていた。 入り口から1kmちょっとの場所に、登山者用の駐車場があり、最初の枝線がダウン・アップ・ダウンしている。雨上がりにもかかわらず土の状態はしまっていて、この状態ならラジアルタイヤでもあがれると、それぞれ走ってみる。
 だいすけさんとpakuさんは、枝線の枝線にまで突入して、強者ぶりを披露する。
 林道やオフロードツーリングが初めてというdevilockさんのグランドエスクードも、トライするのにちょうど良いコースだった。
 「何度か来ているところだけれど、こんなに面白い枝道があるんだー」
 とはだいすけさん。
 「ここはねー、全山攻略のために通いましょうよ」
 とはpakuさん。
 この林道そのものは、枝線のひとつから登っていく桜並木が有名な花見スポットで、四駆だけでなく乗馬の訓練などで上がってくる人もある。甲府盆地の夜景を見るのにもいい場所で、晴れ渡れば富士山が目の前にそびえるという。
 標高はおおむね1000m。山梨、盆地・暑いという予測は喜ばしくも外され、木陰で陽ざしが程良く遮られ、山間を風が渡ってきてとても涼しい。
 昼食しながらまったりと休息し、あれこれと雑談しているうちに時間がだいぶ経過した。
 SIDEKICKさんは仕事の都合で4時間以内に職場へ復帰しなくてはならないと、ここで離脱。残る7台で枝線めぐりへと走り始める。