テレビ放送やインターネット情報が、次々と首都圏各地の高速道路封鎖のニュースを流し、ありとあらゆるトラフィックが麻痺していく。
 昭和44年以来の猛烈な寒波と低気圧が関東地方に襲来し、観測史上3番目らしい大雪が降り続いた。標高300mに満たない天狗の森ですら、粉雪状の吹雪が9日未明になっても勢いを衰えさせない。
 積雪は約30cm。吹き溜まりでは50cmを越え、うかつに踏み込んだ雷蔵は「ひえ〜」と気の抜けた声を上げながら沈み込んでいく。彼と同世代で同じ地元のAMGさんは

 「リンゴ箱(我々の世代は段ボールではなく木箱なのだ)と竹を使って、橇つくって遊んだよなー」

 と、嬉々としてコンバーチブルのエスクードを掘り出しにかかる。先陣を切ったkawaさんはスタッドレスタイヤが古くなっていていきなりスタック。チェーン装備に切り替える。その横を新品のスタッドレスを組んだs.Doさんのノマドが駆けぬける。
 実は今回、初代エスクードを3代目エスクードが数で上回っていた。コムロさんがグランドエスクードから3代目6型のXGクロスアドベンチャーに乗り換え、初のイベント参加。
 そのうえ、BLUEらすかるが数日前に追突されて修理に入ってしまい、雷蔵のエスクードがsugiさんと同型のТD94W‐XSで代走となっていたのである。
 TA01WさんのXGを筆頭に、3代目が悠然とラッセルする。5速AТの94Wには2速ホールドがない。このようなコンディションの下りにおいてはエンジンブレーキが使いにくいと聞いていたが、それなら迷わずT速固定でものぐさに走る(たぶん雷蔵のみ
 下山の頃には路上の雪も他の車両が踏みつけ轍が深くなっているが、1日中ラッセルを楽しむには、今回の大雪でも雪の量が少ない。
 凍結が始まるまでにはまだ間がある。ウォームアップを済ませたところで林道側に出かけようとしたが、出口側を別ルートから偵察に出ていたs.Doさんが戻ってきて、ルート上に倒木があって林道を使って下山できないと教えてくれた。
 関東の高速道路の通行止めも続いている。一般道が混乱しないうちに撤収を判断して、新年会のつくばーどはお開きとなった。