《蘇る大自然の使者》

 ゴルゴム、シャドームーンとの戦いが終結した直後、地球侵略を行動開始したクライシス帝国は、仮面ライダーBLACKの“世紀王”としての力を欲し、南光太郎に対して協力を求めた。しかし光太郎はその申し出を拒み、変身機能を破壊され、宇宙空間に放り出されてしまう。
 しかし、光太郎の体内に埋めこまれたキングストーンは、太陽エネルギーを吸収し、光太郎・BLACKに新たなる力を与える。仮面ライダーBLACK−RXへの進化である。全ての身体的能力がBLACKを凌駕し、腹部の太陽エネルギー補給装置「サンバスク」か、変身バックル「サンライザー」に収納されたキングストーンのどちらかがある限り、不死身の生命力を得る。


 この太陽の力は、シャドームーンとの決戦で破壊されたBLACKの戦闘マシン・バトルホッパーにも、蘇生と強化を促した。
 それが光機動生命体「アクロバッター」だ。
 バトルホッパーを素体としていることから、動力源はモトクリスタルによる臨界反応。車体の装甲「ソーラジルコン」は、超高温や極低温に耐え、あらゆる環境に適応する。90mものジャンプ力を有し、水中走行能力を持つ。
 バトルホッパーの意思を受け継ぎ、思考能力を持つほか、言葉を話すことが出来るようになった。バトルホッパー以上に、戦闘支援ギアから、サポーターとしての性格が強まっている。
 平常時は廃工場で休眠待機している。この行動パターンは、自己修復や、エネルギーの充填といったハードウエアとしてのメンテナンス目的もあるが、バトルホッパー時代の記憶がそうさせていると思われる。

 ところが、アクロバッターには謎が存在する。
 光太郎は普段、SUZUKIRGV−γ250を愛用しており、これはバトルホッパーとは別の個体であった。当然、バトルホッパーから進化しているアクロバッターも、RGV−γ250とは別のマシンであるはずなのだが、最終話においては、RGV−γ250そのものが、光太郎の変身とともにアクロバッターへと変化したように見える。
 アクロバッターは、RXがロボライダーやバイオライダーへの強化変身を行うと、それに対応して能力を特化させたマシン、「ロボイザー」や「マックジャバー」に変形する。
 このことを考えると、アクロバッターの変形能力が、変身していない光太郎自身に合わせた形態をマトリクスとして記録し、RGV−γ250のシルエットへと“4形態目の変化”をするようになっていたのかもしれない。

 ロボライダー専用形態・ロボイザーは、最高速度750km/hのアクロバッターを上回るスピード(800km/h)と強固なボディが特徴。車体後部にはロケット砲を装備している。
 一方、バイオライダー専用形態・マックジャバーは、機動性と旋回能力の高さを誇り、ラフロードではアクロバッター以上の走破性を発揮する。また、液体分子結合によるボディは、敵から受けた攻撃を無力化することも可能だ。

※ アクロバッターの写真はゴンザレスZさんに提供いただきました。
RXは装着変身ベースのオリジナルだそうです。