《ただのトレーラーとはひと味違う》


 レーサー・モーターズは、バックヤード・ビルダーから身を興したポップス・レーサーが率いるプライベートチーム。日本のヨコハマタイヤを数少ない例外として、企業スポンサードを積極的に受けていない、ファミリーチームだ。ポップス自身も、モータービルダーとなる以前はレスリング選手にしてチャンピオン経験者という、変わり種である。
 長男・レックス、次男・スピードを天才的なレーサーとして輩出し、その都度、グランプリを影で牛耳るレースギルドの勧誘を受けながら、これを拒否し続けている。このことは、レース上での妨害工作から、謂われのない訴訟問題、ときには暗殺行為まがいの襲撃を受けることもある。
 そのための備えかどうかは不明だが、マッハ6を搬送するこのトランスポーターは、「バトルトレーラー」と呼ばれているらしく、プライベートチームでありながら、ホイールカッター、ロケットランチャー、カッターブレード、マシンガンなどの隠し武装を保有している。その一方で、トレーラーを展開すると、屋根部分は直立して、サーキットでのレースキーパー用ブースを設営できる。
 トレーラーそのもののディメンションは、格納されるマッハ6が1台、ようやく搭載できる程度のコンテナスペースであるため、ビッグ・リグ・ランチャーほどの大きさではないようだ。
 意匠面では、マッハ6と共通のカラーリングを施し、ヘッドライト部分やリアホイールのプロテクション部分に、マッハ6と同じデザインを盛り込んでいる。
 残念ながら、このトレーラーが活躍しているシーンが見られることはなく、実際に隠し武装が使用されているかどうかは定かではない。また、隠し武装の一部はアタッチメント方式で、マッハ6にも取り付け可能らしいが、マッハ6もまた、これらの武装を取り付け、妨害者を撃退する様子を見ることは出来ない。