《マシン連結の意外な先祖?》
 十大獣電竜と獣電竜戦士団ガーディアンズは、賢者トリンが、絶滅の運命にあった恐竜の魂をエネルギー体に転換し、獣電池に封じ込めて時空を超越した超進化生命と言える。
 彼らは獣電竜として再構築される際、その特性に合わせて機械機構との融合も行われているらしく、融合されたツールもハンマーのような単純なものから自律回転するドリルまで幅広い。
 ガーディアンズと呼ばれるディノチェイサーは、2種類の小型獣脚竜によって対を成しており、黄色のディノスにも黒いチェイスにも、オートバイのメカニズムが融合している。このことから、賢者トリンは永い地球の歴史の中で、何度か獣電竜に後天的進化を与えてきたものと思われる。
 ディノスとチェイスという名前は、恐竜としての分類上の名前ではなく、この形態を有した獣電竜戦士の固有名詞のようだ。
 もともとはドロマエオサウルスの31種に及ぶ種目の中のいずれかが獣電竜に選ばれたものであろう。
 「走るトカゲ」という意味を持つドロマエオサウルスの特性から、高速移動と戦闘に長けており、強き竜の者たち(キョウリュウジャー)を支援する役目を担うことから、単体でも俊敏、2種の合体によってその速度と力を数倍にも引き上げる能力を発揮する。
 ということは、ディノチェイサーとなったこのオートバイ形態が、二輪駆動であることは容易に想像できる。ドロマエオサウルスの特徴でもある脚部の「鉤爪」も、強力なブレーキシステムの一環として機能するだけでなく、あらゆる地形にとりつき、走破性を確保するためのアンカーとして役立つと思われる。
 興味深いことは、この2種類の獣電竜が連結するシステムだ。ディノスとチェイスに限らず、獣電竜たちは互いに噛みつき合うことで、別の機能形態に変化することができる。
 賢者トリンがもたらしたこの進化を、もしも「地球の記憶」が刻みつけていたら、それは別のマシン形態に受け継がれた可能性が出てくる。
 前後で異なるパーツを組み合わせ、陸海空を機動運用できる「ハードボイルダー」は、地球の記憶から生物を特異の形態に強制進化させるガイアメモリーを生み出した「ミュージアム」こと園崎一族の資産から開発されたものと推測されている。
 このマシンコンセプトと開発技術に、地球の記憶の中から、偶然にもディノスとチェイスの進化のノウハウが拾われたのではないか。それを探る手立ては、今のところ見つかってはいない。