《風都を駆けるつむじ風》
 地方都市、風都。この街の裏社会は謎の組織「ミュージアム」に掌握され、「ミュージアム」は地球の様々な記憶を入力したガイアメモリーを秘密裏・非合法に流通させている。
 ガイアメモリーのデータを体内に注入した人間は、膨大な情報量によってそれぞれのプログラムに応じた超人へと変貌するが、意識までも乗っ取られて暴走する。それはもはや超人ではなく、怪人に等しく、ドーパントと呼ばれる彼らは次々と犯罪を引き起こしていた。

 ある夜、第2世代に改良された9本のガイアメモリーが「ミュージアム」の研究施設から奪われ、人間の意志を失わない超人が誕生した。
 その異形の姿を見た者は口々に「半分こ野郎」「半分こ怪人」と表現していたが、やがて都市伝説が構築され、“バイクに乗って現れ、素顔を見せずにドーパントを倒す謎の男”、すなわち「仮面ライダー」と名付けられた。
 「仮面ライダー」の正体は、自称ハードボイルドの私立探偵・左翔太郎と、翔太郎が「ミュージアム」から連れ出した記憶を無くした少年・フィリップの、2人で1人に変身した姿。故に彼らは自らの変身体を「W」と呼んだ。

 「W」が「仮面ライダー」という都市伝説の素材になっているのが、彼が駆るマシン、ハードボイルダーの存在だ。その名は翔太郎の命名による。
 全長2.080m、全幅0.680m、全高1.130m、乾燥重量165kg、排気量999cc。このディメンションとフォルムから、ホンダCBR1000RRを素体にしていると思われるが、最高速度は580km/hもの高速度を誇る。
 左翔太郎は日常生活においてもこのマシンを愛用しているが、大型装甲車・リボルギャリーの本体内に格納されていたものを発見し、使い方を覚えた。
 このマシンは本来、リボルギャリーと対を成し、ガイアドライバー2Gの生み出すドーパントを支援するメカニックとして開発されたようだが、翔太郎もフィリップも、その経緯や、ハードボイルダー以前のマシンシステムの存在は知らないようだ。

 ハードボイルダーは、車体前部がブラック、後部がグリーンで塗り分けられ、色の境界線に沿って分割される。前面にバルカン砲を装備しており、後部は戦闘状況に応じて母艦ともいうべきリボルギャリーで換装され、スタートダッシュブースター、ハードタービュラー、ハードスプラッシャーの各形態に変化する。
 スタートダッシュモードは、6基の加速ブーストユニットを装備することで、450kw(6,000馬力)、最高速度870km/hの猛烈なトップスピードを得る。
 ハードタービュラーは最高速度マッハ1.2、最高到達高度5,000mへと駆け上がれるエアクラフト形態。
 ハードスプラッシャーは水上を135ノット(約250km/h)、水中でも64ノット(約120km/h)で航行する小型高速艇で、魚雷を搭載する。