《新世代バイクのテストベッド?》
 マシンメテオスターの搭乗者である朔田流星は、交換留学生として天ノ川学園高校に特別編入した、昴星高校の2年生だ。ゾディアーツスイッチの過負荷によって植物人間となった友人を救うために、反ゾディアーツ同盟に加担し、メテオ強化服と変身ドライバー、マシンメテオスターを貸与されている。
 メテオスター、という名前が誰によってもたらされたのかは明らかではない。開発コードはMBM3000Xとされている。全長2.050m、全幅0.800m、全高1.100m、乾燥重量140kg。マシンマッシグラーとほぼ同等のスペックを有すると言われているが、設計、製作者がマシンマッシグラー同様OSТOであるかどうかは不明だ。
 そのフォルムや外装部品から見て、マシンマッシグラーのような大気圏離脱・再突入能力までは与えられていないと思われる。しかしチタン製フレームに関しては、高度8000ftからの落下衝撃に耐えられるという。ひょっとすると、このマシンはテストベッドであり、その開発延長上に、マシンマッシグラーがあったのではないだろうか。各部の性能をみると、高性能ながら荒削りなものが散見されるものの、使用目的が今一つはっきりしない上、外観以上の特徴を持たないからだ。
 最も驚くべきパーツは、MS26Fドロップボクサーエンジンである。どこをどう分解してもシリンダーが6基も納まるとは思えない全幅にもかかわらず、内燃機関は水平対向6気筒の水素燃焼方式なのである。馬力換算では286.3馬力の最大出力で、テストコース(場所は不明)における最高速度は時速511.7kmに達しているという。これはしかし、コロニックテイルと呼ばれる単発式ジェット噴射ノズルでアフターバーナーをかけた状態から得た速度であろう。このブースト噴射は緊急時使用に限定されており、連続噴射可能時間は180秒しか専用燃料が持たない。
 一方、推進・駆動力のバックアップ機能を有しており、車体後部にマイクロセルバッテリーを搭載する。水素エンジンがトラブルを起こしている場合には、テール部分のソーラーアレイパネルで発電した電力を逐電し、駆動系に補助動力源として供給できる。
 人工衛星を模したと云われるフロントカウル・オーバルビットには、マシンの全システムを制御するCPU類が内蔵され、カウル全体の電磁シールドがこれを保護している。ヘッドライト・メテオフラッシャーはハロゲン球以上の光量をLEDで実現した。走行記録は、ネットワークコンソールの通信機能によって、反ゾディアーツ同盟の軌道拠点である有人人工衛星M‐BUSが常時モニターしている。