《強力無双な台座》
 PDG−3000、通称パワーダイザーは、資材運搬用マスドライバー能力(タワーモード)と自走移動能力(ビークルモード)を兼ね備えた建設・土木作業用パワードワーカー。
 ヘリウム3を用いたプラズマリアクターを両肩(人型時)に装備し、このリアクターによる毎秒1ギガジュールの熱量で駆動するが、人型時の頭頂高が3m、全幅で約2・3m、乾燥重量がわずか412kgという大きさから考えて、恐ろしく超小型で軽量のリアクターと、機体構造材の塊と言える。
 さらに軽量という面では、ビークル時の前輪にあたるホイール部が人型時にパワーハンド・グラップルフィストとして展開する際、300個ものモーターを使用している。
 これも小型というだけでは済まされず、緻密な作業から自動車1台を10秒程度でスクラップにしてしまう怪力を発生させる。それだけの能力を持ちながらの乾燥重量は、驚異的と表現するほかない。
 これには、マシンマッシグラーなどの軌道打ち上げ時にコンビネーションする、タワーモードで使用されているマスドライバーシステムに秘密があるのかもしれない。
 なぜなら、マスドライバーは射出した物体を1秒後に時速200kmまで加速させると言われており、その加速射出には重力制御に基づくトラクタービームが用いられているらしいからだ。
 この時点で驚異的をも超越してしまうのだが、重力制御が可能であるなら、各種稼働に際しても、制御の一部が応用されているのかもしれない。
 実はパワーダイザーの運用を見ていると、どう考えてもパワードワーカーとしては欠陥製品としか思えない。
 「仮面ライダー部」部員のうち、アメリカンフットボールで鍛えられている大文字隼が操縦するまでは、誰にもまともな操縦ができないほど、搭乗者にスタミナを要求する非合理的なマシンなのだ。それではパワーアシスト重機としての能力を発揮できていないことになる。
 ラビットハッチ内での重力制御共々、重力に関する仕組みは最大の謎だが、これも実験機として開発途上の事情があるのだろう。 
 搭乗者は各モードとも1名による操縦だが、アストロスイッチ格納カバンに遠隔操作用基盤も組み込まれている。