《方向音痴なバディロイド》
 特命戦隊の1人、桜田ヒロムは、幼い頃にメタウイルスの襲撃にさらされ、ワクチンプログラムを与えられたことで強靭な肉体と亜空間と通常空間を行き来する耐性を備えた。
 その特異体質によって亜空間から生還したのち、彼は実姉とバディロイドのチダ・ニックに育てられ、亜空間に閉ざされた知人たちを救出し、亜空間から侵略してくるヴァグラスと戦うためにゴーバスターズに志願した。
 彼と行動を共にするチダ・ニックもまた、ワクチンプログラムの効果で、搭載されているAIが演算能力以上の思考と感情を持つに至り、ヒロムに対して兄のように接するようになって久しい。
 人型とオートバイの2形態を有しており、スイングアームが両腕、テールカウル内に両脚が格納されている。驚くべきは構成素材で、タイヤはホイールごと伸縮してしまう。
 オートバイへの変形機能は、ワクチンプログラムとは無縁の設計と思われるが、2足歩行状態から瞬時にバイク形態に変形し、その逆のパターンも自在にこなすことができるのは、やはり機械のそれとは異なるバランス感覚と車体各部の動作制御を可能にするほど、AIにもたらされた進化が著しいのだろう。
 しかし天は二物を与えず、ここまで優れた制御系を持ちながら、ニック自身の航法コンピュータはロードナビゲーションに向いておらず、自ら「方向音痴」を自覚している。
 にもかかわらず、バスタービークルCB01や、その変形形態ゴーバスターエースの操縦系として組み込まれると、姿勢制御から火器管制まであらゆる戦闘サポートを正確無比にやってのける。
 動力のシステムは不明だが、燃料にはエネトロンを使用している。