《烏の群》

 ダーク破壊部隊は、度重なる人造人間キカイダーの抹殺失敗に、甚大な損失を被っていた。
キカイダー破壊。ダークのギル教授は、遂にその憎悪を一体の改造人間に具現化させた。
 それがハカイダーだ。
 特徴は、悪魔回路と人間の脳を持つこと。故に、ハカイダーは、それまでのダークロボットやキカイダーのような人造人間とは異なり、光明寺博士の頭脳を補助頭脳として使うことにより、極めて高い思考判断と、戦闘能力を実現していた。冷酷、残忍な彼の人格は、電子頭脳と悪魔回路が生み出すロジックである。
 ハカイダーは、度々キカイダー・ジローを窮地に追いつめるが、補助頭脳である光明寺博士のロジックが無意識の動作を続け、遂にキカイダーにとどめを刺すことが出来ず、ギル教授が放った最後の人造人間、白骨ムササビによって倒されてしまう(原作コミック版では展開が異なっている)
 その後、キカイダーによってダークが壊滅し、ギル教授も滅んだかに見えたが、ダーク科学陣の3幹部はギル教授の脳髄を機能停止したハカイダーのボディに移植し、彼等自らも予備のハカイダーボディに脳髄を移すことで生き延びた。
 ハカイダー四人衆はこうして誕生し、ハカイダー部隊が編成され、ジャイアントデビルの設計図を狙って暗躍するが、キカイダーゼロワン・イチローの高度な戦力に敗れ去り、ギル・ハカイダーを残して全滅。暗黒組織シャドウに身を寄せ、やがて落ちぶれていく。

 レッド、ブルー、シルバーの幹部ハカイダーは、ギル・ハカイダーが駆る白いカラスと同系の、黒いオートバイを使用していた(正確に示すと、白いカラスはカワサキのマッハWで、四人衆で使われたマッハWは2台、残る2台はマッハTであったという)
 これは、光明寺博士の脳髄を使って完成させた“サブロー・ハカイダー”のときの基本性能のメモリーを復元し、四人衆で供用しているものと思われる。
 ギル教授や3幹部が、マシン戦を積み重ねたキカイダー・ジローと互角に戦えるほどのライディングテクニックを有するとは考えられない。しかし “サブロー・ハカイダー”はマシン戦を経験しているばかりか、誕生時に既にオートバイを駆使した戦術をこなせる性能を発揮できた。この性能がハカイダーの電子頭脳に、デリートされずに記録されていたのであろう。

 “サブロー・ハカイダー”については余談あり

 このキャラウィールを見比べると、単独でリリースされた白いカラス(上)に取り付けられているフロントフォークのマイクロミサイル「サタンポッド」が、四人衆版には存在しない。
 劇中ではどうだったのだろうか? どうも2代目としてポッド無しで戦っていたようだが。
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