《爆裂的に強化せよ》
 ネオテーラとの戦い、超災害からの救助活動を続けるレスキューフォース・R1は、日ごとの出場によって経験値を積み上げ、今や第一線の救助隊員へと成長していた。
 彼がルーキーの域を超えたことを一番早く認知したのは、常に救助活動を共にするコアストライカーのAIであった。R1の操縦技術と咄嗟の判断によるマシン操作に対して、AI側の処理速度が追いつかないという事態が現れ始めたのである。
 コアストライカーは、石黒隊長に
 「彼は成長するが、機械の私は変わらない。いつしか私は彼に置いて行かれる」
 こうして、コアストライカーは、懸案事項とされていたMAX計画の採用を石黒に進言し、承認を受ける。
 MAX計画の詳細は明らかにされていないが、コアストライカーそのものを強化改良し、コアストライカー・マックスへとバージョンアップさせることが概略である。一見、32型フェアレディZから33型への乗り換えを行ったように見えるが、石黒がR1・轟輝にレクチャーする際に使われた計画フローのCGでは、コアストライカーの外装パネルを強化型新外装に換装しており、そのデザインが33型を踏襲している。
 開発ナンバーはCS02。パネルの強化に留まらず、排気量9000ccのエンジン(どうやらガソリンエンジンらしい)を新たに搭載し、最高速度は一気に200km/h増しの600km/hにまで跳ね上がっている。この強力な加減速とコーナリング時のGに、ドライバーが耐えられるかどうか、レスキューフォースにおいては不安材料として計画実行に至らなかったが、コアストライカーとの信頼関係を築いてきたR1は、これを見事に乗りこなした。