《人事考査を確認せよ》
 レスキューファイアーの小型ビークルは、それぞれ隊員個々の専用扱いとなっているが、ファイアー1専用のレスキューダッシュ1と同じ車体、マーキングながら、彼専用の赤い車体とは別個のダッシュ1.ブラックが確認された。
 「ガンメタルのブラック、かっこいいっス!」
 ファイアー1・炎タツヤは小躍りして喜ぶが、彼の車が交換される指示書や通達は来ておらず、この車体がどのような扱いを受けるのかは謎のままだった。
 「レスキューフォースの車両管理記録では、黒いマシンは初代隊長の大淵さん、2代目隊長の石黒さんが使っていたとあるわね。これは大河隊長の専用車じゃない?」
 「黒の専売特許は隊長用とは限らない。現に俺のスカイラインが黒だ。まあ、俺なら次期隊長もありがちな話だがな」
 ファイアー3・雪リツカが端末から情報を取り出すが、それはファイアー4・葵ツバサによって否定される。ファイアー2・恵ユウマは首をかしげる。
 「ということは、これはやっぱりタツヤの新車なのか?」
 「あっ、ひょっとして、新ファイアー1が赴任してくるということじゃないでしょうか?」
 ファイアー5・翼ジュンがつい口にしてしまったそれは、まったく根拠のない思いつきだったが、それを聞いたタツヤは青ざめた。
 「ええーっ? 俺ってお払い箱なんスかーっ?」
 そこへやって来た大河リク隊長が
 「お? 車が届いたか。黒は渋いな」
 「隊長! これ隊長のですよね?」
 「いや、私のはダッシュ6になる。車もムラーノが支給される予定だが」
 「じゃあやっぱりこれは新ファイアー1用」
 「そんなあー! 俺一生懸命やってるのにー」
 「やー、タツヤ。そう気を落とすな。新1は俺たちがきっちりと教育してやる」
 「ま、待って下さいよー! 俺配置換えなんかいやっスからね!」
 「なんだお前達、これの使い手でもめていたのか。これはな」
 大河隊長は笑いながら真相を明らかにするのだが、その話はダッシュファイアー編にて。

※ ダッシュファイアー編に続きますが、レスキューファイアー本編とはまったく関係ありません。
  これはつくばーどオリジナルの展開です。