《強化装甲で突撃せよ》
 レスキュードーザーは、中型ビークル随一の最大出力による障害物撤去がものを言う。ミッションによってはフルパワーで体当たりを敢行し、目標を粉砕する場合もあり、装甲板の強化が念頭に置かれた。
 こればかりは、バケット構造材の材質やバケット可動部分を中心に、車体全体の強度を見直すこととなった。具体的には、それまで使われていた超高強度繊維強化樹脂板の表面に、セラミックタイルを敷き詰めて接合するセラミック複合装甲板の、各材質の変更である。
 カスタムドーザー改修プランの立案については、レスキューファイアーが用いる突撃型ファイナルレスキューに対応した新素材が開発されおり、その採用によって解決できている。この素材自体もレスキュードーザーからフィードバックされたものと思われるが、カスタムドーザーにおいては、さらに超弾力特殊樹脂コーティングの積層が合わせて施された。
 超弾力特殊樹脂コーティングは、高い粘性を有しており、その表面張力により、柔軟性の高い超弾力層が形成される。これが耐衝撃性と高復元性を産み出し、衝突時の摩擦程度ではキズひとつ残らない。樹脂の柔軟な性質は曲面などにもフレキシブルに塗布できることが特徴だ。
 材質レベルで強度が見直され、耐衝撃用超弾力特殊樹脂コーティングによって、レスキュードーザーが本来備えていたハイパワー、ビッグトルクの使用限界は大きく跳ね上がることとなった。ただし装甲の強化とは、無敵とはイコールにはならない。超耐衝撃性と超弾力性によって歪みにくく、破損しにくくなったということであって、ドーザーがフルパワーでぶつかり続ければ、装甲板や可動部分の破損が生じることを忘れてはならない。今回の改修は、そういったトラブルからドーザー全体の大破を防ぐ手だてと考えるべきであり、強化装甲といえども小破させることで全損にいたらないという究極のセフティー機能は残されていると思われる。
ファイアードラゴン、ドーザードラゴンとの連結によるヘラクレスダブルドーザー

※本項の改修プラン解説は、レスキューファイアー番組で語られているものではありません。