《魔進と魔破の邂逅》 
 クリム・スタインベルトが開発した超駆動機関「コア・ドライビア」を搭載したライドチェイサーとライドマッハーは「仮面ライダー」という記号で結ばれた双子ともいうべきマシンだ。いずれも搭乗者の支援にもたらされたが、敵味方として遭遇する。その数奇な運命はしかし、ほとんど提供者側の趣味と気まぐれでしかないように思える。
 ライドチェイサー 全長2380mm、乾燥重量265kg、最大出力220.6kw(300ps)、最高速度時速470km。
 中型グラビティドライブエンジンコア・ドライビア‐Rは回転と振動で重加速を相殺する。フロントカウルの髑髏はデスヘッドシンボルと呼ばれる走行システム管理モジュール。シート後方にも航法監視装置リアスカルデバイスが取り付けられている。
 ボディ素材はドミネーターカウルという耐衝撃性に優れたもので、障害物を体当たりで粉砕可能な強度と、特殊フィールドを放射しステルス化できる。
 ヘッドライトを兼ねるセンサー、ナイトゲイザーにより追跡対象をスキャンし内部を分析可能。タイヤは電気的刺激で形状変化する合成素材を含有し、路面状況に応じて表面形状を変化させるラジアルハウンダー。

 ライドマッハー 全長3110mm、乾燥重量275kg、最大出力220.6kw(300ps)、最高速度時速460km。
 動力源は同様のコア・ドライビア‐R。耐衝撃性に優れたアクセラカウルで構成され、特殊フィールドを放射し高加速を可能とする。その先端にはサドゥンイレイザーと呼ばれる物質を分解・爆破する高出力ビーム砲を装備する。
 デイライトゲイザーは追跡対象をスキャンし内部を分析する。フェアリング内部に搭載されたグリントモジュールで走行システムを管理し、ロックオンした目標の動作予測と、連動した砲撃照準を自動修正できる。ラジアルトラッカーはラジアルハウンダーと同質の電気的刺激で表面形状を変化させるタイヤ。
 ライドチェイサーと大きく異なる特徴として、シールド発生装置を備えた背面保護装甲クロッシングアーマーを持つ。この違いが全長、重量に現れ、空力が落ちることから最高速度も劣る。

 その装飾以外ほとんど同じ機能を持つ2台だが、別々の搭乗者に与えられながら、双方には車体の連結機構が備えられており、そのことについてはどちらの搭乗者にも知らされていなかった。2台が邂逅した時、ライドマッハー側の連結システムにライドチェイサーが反応し、並走状態でライドクロッサー形態に連結するという隠された性能が発動した。本来はコンビネーション運用を基本に同時開発された車体ではないかと思われる。