《暗黒神の雄叫びのごとく》

  ツーリング中の南光太郎は、山奥でオートバイのトレーニング光景に遭遇する。モンスターバイクを乗りこなそうとする若者をコーチしていたのは、行方不明となっていた世界モトGPのトップライダー、大門明だった。
 彼の父、大門洋一郎は、ゴルゴムで戦闘バイクの開発をさせられ、文明破壊用兵器「ロードセクター」の完成と同時に殺害されてしまった。明はその復讐を果たすため、ロードセクターを奪って社会から姿を消したのである。だが、1500馬力を越えるプラズマイオンエンジンの高出力のために、明自身ではロードセクターを乗りこなすことができなかった。明は息子の輝一にロードセクターをコントロールできるテクニックを身につけさせようとしていたのだ。
 光太郎は協力を申し出、ロードセクターを預かり、バトルホッパーとともに第2の愛機として、このモンスターマシンを駆ることとなる。
 
最高速度960km/hをマークするロードセクターには、RSコンピューターと呼ばれる制御デバイスが搭載され、自立航行が可能となっている。
 時速800kmを越えると、フロントカウルからテールにかけて、アタックシールドが展開する。同時にイオンバリヤーがロードセクターを包み込み、空気の摩擦や敵の攻撃から防御する。
 このシステムを応用した体当たりはスパークリングアタックと名付けられ、ミサイル並みの破壊力を発揮する。アフターバーナーを点火させ、プラズマジェットで敵を焼き払う荒技もこなす。
 アタックシールドの展開時は、そのライディングポジションと、シールドそのものによって前方視界が著しく低下する。このためRSコンピューター側のオートバランサーが稼働し、進路はCGによって構築されたガイドラインがモニターに投影される。
 高速追撃や一撃離脱の戦法に長けたロードセクターだが、そのパワーは、うかつにスロットルをあおることができない。仮面ライダーBLACKの怪力を持ってしても、ホイルスピンするリアホイールを押さえ込むのに相当の手間がかかる。高出力過ぎる欠点としては、バトルホッパーのような不整地でのアクロバティックなライディングには向かないという点だ。