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ESC-Donを作る いんすとらくたー by 雷蔵 |
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このページが更新されるのは、なんと20年ぶり。 といって、構想に20年もかかったわけではなく、昨年考案した「浜松丼」をきっかけに漠然と具材の選択に時間を費やしていた。 当初は「えすく・うどん」を念頭に置き、それぞれの材料を決めていった。書き忘れてはいけないので、なぜ「えすく・うどん」かという理由は、単に「エスクード冠の料理」ということである。 海老天、スズキの炙り、クジラ肉、うどん。 これらがすぐにイメージできたものの、その辺の魚屋はすでに閉店していて、町のスーパーマーケットではスズキとクジラが手に入らない。 そこで外房に出かける機会をつくり、クジラ肉は買い求めることができたが、はてさてクジラの何を使えばいいのかがわからず、とりあえず大和煮の缶詰、ベーコン、焼き肉用クジラ肉を状況に応じて使い分けることにする。 スズキに関しては、館山の居酒屋の女将が魚屋でもあったのでどんなものかを教えていただき、脂がのっているものならヒラスズキ。真冬が旬だからまだいいのがあると切り身を分けてもらえた。 |
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ふと、ご飯ものでもいけるのではないかと、海老天に加えてエビフライも調達。さらに欲を出して「のまど」もカバーしようと味付き海苔、舞茸、高野豆腐を買い足す。米は北条米を用意した。 まず試しにご飯ものえすく・どんを作る。エビフライは温めなおすだけ。スズキは焼き目がつく程度に炙り、クジラは火を通す程度。盛り付けると色味が物足りないので急遽、ブロッコリーをレンジで加熱しノーカウント材料として乗せた。 やはりクジラ焼き肉の自己主張が強い。スズキは塩コショウで味を整えたが思ったよりもぷりぷりの脂の乗りで、全体的には少しくどい丼飯になった。若いころならまだしも、これだけ歳くってしまうと、少しとはいえさっぱり感のない献立はつらいものがある。 ということで、これは一食だけ作って自分で平らげ、人には出さないことにする。 えすく・うどんは、その反省点から材料の脂っけを薄めようと、スズキはボイルとした。クジラはベーコンを使うので、同様に湯通しした後味を再調整する。 舞茸は普通なら天ぷらにする方がいいと思ったが、食材の形を重視してゆでながら味を調える。決して手を抜きたかったわけではない。高野豆腐は少し過熱してそのまま使う。うどんは市販のソフト麵。 つゆは醤油とみりんで薄めに作ったが、すだちうどんあたりを使って醤油味ではない方がよかったかもしれない。 |
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ちょうど友人が遊びに来たので、試食してもらった。 「君さあ、20代の頃だったらこういうのも平気だっただろうけど、具材の波状攻撃で胃袋が悲鳴を上げるんじゃないか?」 「いや実はかくかくしかじかでご飯丼やってそれ実感した」 せっかくのエスクード冠飯だったのだが、まずい、と言われなかっただけでもよしとしなくてはならない。そもそもこんなにコストのかかる料理は定食屋では絶対にやらない。 目的は果たせたものの、考案者自ら白旗を振ることにした。 決して真似をしてはいけないと結ぶ献立である。 |
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