6月に預けたエンジンのオーバーホールに半年も費やすこととなった。新型コロナウイルス感染症問題も影響を及ぼしているが、それ以前に各自動車メーカーが管理コスト縮減のために、部品ストックをやめており、それらの品物が手に入りにくくなっているという。
今回、スズキだけでは埒があかず、オーバーホールを請け負ったカートレンドでは日産からも汎用部品を調達した。そう言えば突如、中古車価格も高騰している。11から61までのエスクードが、下手をすると120万円を超えている。迷惑な話だ。
実はオーバーホール自体も決して安価なものではないが、高騰した中古車価格よりも、こちらの方が確実に低価格ですんだ。逆に言うとエンジンと足回りだけのために、中古車を丸々1台買える投資をするのかという揶揄にもつながる。
そのことは、乗り続けてきた者にしか価値を見出せない。16年前、錆だらけのエンジンルームを見てしまった記憶、転勤直後に東日本大震災の修羅場を乗り切った経歴。それは人様の知り得ない価値観なのだ。
かくして息を吹き返したエンジンは、当たり前のことだが新車のような吹きあがりと静粛性を取り戻した。ロングツアラーとして最適のコンディションだ。が、半年の車体の放置は問題もはらんでおり、革巻きステアリングが今夏の酷暑と紫外線にさらされぼろぼろになっていた。因果関係が不明だが、オーディオ関係の動作にもエラーが出る。
極めつけは、エンジンには申し分のない作業をしてくれたものの、四駆に切り替わらないというトラブルが出た。アクチュエータ部分のホースが接続されていなかった。820000キロを刻んだのは林道ツーリングの日であった。斜度のある直角コーナーが全面凍結してリアが滑り出した時は冷や汗ものだった。試走とイベントを同時にやるような横着はいけないと身に染みた。
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