つくばーど採用歴代エスクード史 その4の参


 すとらいくからとるねーどへ。終焉の日



05年2月、40万キロに

 あーまーど、すとらいくと変遷してきたTA11Wは、最終的には2005年5月末、「とるねーどらすかる」へとマイナーチェンジを行いました。その直前の2月中旬、くろかんノマドの退役とあわせて、40万kmを刻んでいます。
 月軌道を離れ、地球帰還コースを思い描き始めた夏、終焉は唐突に、もらい事故という形で訪れました。
 8月18日、430,632kmで、とるねーどらすかるは、乗員を怪我一つ追わせずに生還させ、ライフポッドとして最後の役目を果たしてくれました。奇しくもその4日前、43万kmに到達したところで、05年の残り日数でなら、45万kmへたどり着けるのかどうかを、試算したばかりでした。
 世の中、それほど思うようにはいかないものです。
 気が付けば、エスクードは3代目が誕生し、らすかるそのものも、10年の歳月を走っていました。
 仲間たちの間でも、出逢ったときのエスクードは次々と退役し、別の愛車を手に入れた人や、もう一度エスクードを乗り継ぐ人もいますが、それぞれの笑顔だけは変わらない。
 僕自身、終わらない夏を、どこかで追いかけていたように感じています。

 
エスク道 儂さんからいただいたメッセージ


東の空に月が昇ると 
男はいつも空を見上げてつぶやく
この地球(ほし)と月の間には
未踏の道が続いているのだと

そんな話は作り話さ
誰も月まで辿り着けはしない

ある日男は道を探した

男はまた空を見上げてつぶやく
この地球(ほし)から月へ旅立つ
未踏の道を走ってみるのだと




05年8月、43万キロ到達 最後の姿。
そんなことは出来やしないさ
誰も月まで辿り着けはしない

やがて男は道を見つけた

男は力強く空を見上げてつぶやく
この地球(ほし)と月の間を
必ず走り抜けて見せると

数年後

男は本当に月へと辿り着いてみせた
この地球(ほし)から月へと続く未踏の道を
踏み外せば宇宙の底まで落ち行く起伏の激しい道を
誰も自ら探そうとはせず
その存在を信じようともしなかった幻の道を

男は躓き転びながらも走り抜けて行った

東の空に月が昇ると 
少年はいつも空を見上げてつぶやく
この地球(ほし)と月の間には
未踏の道が続いているのだと

その道なら未踏ではない
お前も月まで辿り着けるかもしれない

男はこの地球(ほし)に帰っては来なかった
しかし男の伝説は語り継がれる

男の拓いた道を行く若者が
いつかこの地球(ほし)への帰還を果たすだろうか
空の藻屑と散った男に 
花束を手向けながらその日を待とう




ありがとう。全ての人たちに。

いただいた想いは、次のエスクードに託します。