つくばーど採用歴代エスクード史 その6の参


 コンバーチブルのバリエーション


08年夏 バリエーション化
 幌とオープンのコンバージョンに、更なるバリエーションを加えることで、01Rはまた異なる表情を見せます。純正の黒いレザートップは、夏場には暑苦しく感じるかもしれないと、アイボリー系キャンバス地のベストップに交換してみたところ、ちょっとした軽快さが附加されました。
 ベストップは生地の薄さからレザートップよりも遮音性は落ちるのですが、逆に柔軟性があるためたたみやすい。頭上を開ける際のデッキトップの折り込みが楽なのです。3シーズンはこのままで使い倒し、冬場のみ純正に戻していこうと考えています。
 別コンテンツのメンテナンス欄にてベストップの概略をまとめてありますが、純正の幌をベースにリファインした部分もいくつかあり、バックドアウインドーと接合するファスナーヘッドを、幌の外にはみ出さないようカバーするという二重の取り込み構造などは、純正幌には無い機能。
 そして何故か、この海外製ベストップはバックドアウインドーのファスナーを国内仕様とは逆にかける仕組みで、これは何故このような設計にしたのかと、考える楽しみも発見できます。
 どうやらこのファスナーがけは、バックドアの開口とは逆方向へ綴じ合わせることで、無理矢理バックドアを開けようとしたとき、或いは閉じたはずのファスナーが破損してウインドーが開口してしまい、万が一ドアが開いてしまうような場合(ドア自体はロックされるので、その心配はないのですが)の、ささやかな抵抗力を産み出す安全マージンではないかと想像できます。ウインドーそのものを破られれば、セキュリティにもなりませんが、こういう安全面の発想が組み込まれているとしたら、好感度を割り増しできます。
 頭上を開放するベストップとは反対に、頭上からの直射日光を遮断しつつ、デッキ後部はオープンとして扱ってしまうビキニトップも重宝します。それこそ頭上の分しか素材がないため、収納が簡単でコンパクト。オープンで出かけた後に炎天下を避けたり、突然雨に見舞われても、簡単に屋根がけできる。後部座席は濡れてしまいますが、搭乗者がずぶぬれになるよりは幾ばくかマシですから。
  


ライトウエイト4WDらしさをテーマに

 すっぴんのフロントまわりはけっこう馴染んでいますが、機能的にヘッドライトの暗さが気になっていました。HID化、などという手法もあり、どうしたものかと考えた末、ヘッドライトには手を入れず、補助灯の増設で対応しました。スズキスポーツのランプステーを取り付け、IPFの白色バルブ使用の補助灯を採用しています。
 この形が、コンバーチブルには最も似合う。オートエキスポのグリルガードや補助灯を取り付けるという案も出たのですが、同社の幌車専用キャリアと対であればまだしも、ガード類だけでは前後のバランスが悪い。必要以上のフロントヘビー化はコンバーチブルの軽快さとはマッチしないだろうと、よりシンプルなステーで、しかも90年代初頭のエスクードらしい雰囲気を再現しています。

 ところで、ぷらすBLUEはノーマル仕様で乗るのだ。などと言っていたような気がします。さらに「車検一回分だけ」との条件にて手に入れた経緯もあったような気がします。
 いやまあ、「気がする」ということは、きっと気のせいなんです。
 2年の所有期間はあっという間に経過してしまいまして、処遇をどうすべきか決断を迫られる時期になって、メインで扱っているBLUEらすかるのエンジンが大変なことになってしまい、ぷらすBLUEは代走としての役割を背負う年まわりになりました。
 こいつら、互いにここに存在することを助け合っているのか? これはそれこそ気のせいに違いないのですけれど、そんなふうに思わされる2008年。エスクード誕生20周年の過渡期に、17年目の夏を乗り越えて車検をパスしました。そしてコンバーチブルに乗ってわかったことがひとつ。エスクードはやはり、クロスカントリーの素地を持ってはいるものの、ダートランナーとして作られているということ。登場当初の時代、誰もそこには注目せず、メディアでさえクロカン四駆として括っていたこと。何とかそのニーズに応えてきた車であったこと。それがおそらく、中途半端といわれていながらも、オールラウンダーとしての素性であったのではないかと、あらためて感じます。